2025-08-29 コメント投稿する ▼
参政党・神谷宗幣氏「日本は移民国家」発言に批判 外国人受け入れ上限10%の危うさ
参政党・神谷宗幣氏「日本は移民国家」発言に波紋
参政党の神谷宗幣代表が、8月28日に出演した動画番組で「日本は移民国家」と発言し、将来的に外国人受け入れ比率を「10%以下」と見積もる見解を示した。現状、総人口に占める外国人比率は約2.8%だが、2070年には10%を超えるとの試算もある。神谷氏は縄文人や渡来人を例に挙げ「混血でできた国」と表現したが、この発言は波紋を広げている。
「縄文時代からの歴史を持ち出すのは詭弁に近い」
「移民国家と言うのは日本の伝統と文化を軽んじている」
「10%まで受け入れるなんて軽率すぎる」
「ドイツの混乱を例に挙げるなら、むしろ移民拡大は危険だと学ぶべき」
「日本人ファーストを掲げていたのに矛盾していないか」
「移民国家」発言の不適切さ
神谷氏は「日本は移民国家」と断じたが、日本は米国やカナダのように移民を国是とした国家ではない。縄文人や渡来人の存在を引き合いに出して「混血でできた国」と位置づけるのは、歴史を都合よく解釈して現代の移民政策を正当化しようとする姿勢だとの批判がある。
確かに日本の歴史には文化的交流や渡来の事実はあるが、国家としての一体性や文化の継承が重視されてきた。移民が国を形成したとするのは過度な単純化であり、国民の不安を煽りかねない。特に「10%までの受け入れ」という数値目標のような発言は、日本社会の安定を揺るがすとの懸念が強い。
欧州の混乱から学ぶべき教訓
神谷氏自身も「ドイツでは外国人比率が20%を超えて大きな混乱が生じている」と述べている。であれば、日本が欧州の轍を踏むべきではないことは明らかだ。外国人の急激な流入は、治安や社会保障の負担、文化摩擦を生みやすく、日本のように人口減少と高齢化が進む社会にとって、かえって深刻な問題を招く危険性がある。
移民や難民は受け入れる以上、日本の法と文化を遵守するのが大前提であり、安易に「移民国家」という言葉で国民意識をすり替えるのは無責任だ。参政党が訴えてきた「日本人ファースト」の理念とも矛盾しており、党内外からの整合性を問う声は強まるだろう。
自民党人材の受け入れ発言も
神谷氏は同番組内で「自民党の良い人材に来てほしい」とも述べた。経験豊富な人材を参政党に迎え入れたい考えを示したが、同時に「古い組織にはしがらみが多い」と自民党を批判した。とはいえ、人材不足を自認する参政党が移民問題で一貫性を欠いた発言を続ければ、国民の支持を得るのは難しい。
自民党を批判しつつ人材を引き抜こうとする姿勢と、「移民国家」発言の軽率さが重なることで、参政党の政治的立ち位置は不安定さを増している。
歴史認識と憲法問題への発言
番組内で神谷氏は、GHQによる戦後の占領期を取り上げ「日本の教育や憲法が大きく変えられた」と述べ、言論統制や憲法改正の必要性にも触れた。戦後史を見直す議論自体は必要だが、これと「移民国家」論を結びつけることには飛躍がある。
近現代史を若者に正しく伝えることは重要だが、その文脈で「日本は移民国家」と断定することは、誤解を広め、国民的議論を歪めかねない。今こそ冷静な歴史認識と国益を第一にする政策議論が求められている。
「移民国家」発言が突きつける日本の将来課題
神谷宗幣氏の「移民国家」発言は、単なる歴史解釈を超えて日本の将来像を左右する論点を含む。外国人比率10%という数値を軽々しく口にすることは、日本社会の文化的基盤を揺るがし、治安や経済に深刻な影響を与えかねない。
日本が進むべき道は、欧州のような「ポピュリズム外交」や過剰な移民政策ではなく、国民生活を守りつつ、真に必要な範囲での受け入れにとどめることである。移民や難民は日本の文化と法を尊重する前提でのみ議論されるべきだ。国民の安心と国家の安定を軽視した「移民国家」論は、むしろ危険な発想といえる。