2026-06-05 コメント投稿する ▼
南モンゴル議連・山谷えり子新会長誕生 中国の民族同化法に超党派で懸念声明
自民党有志による「南モンゴルを支援する議員連盟」は2026年6月4日、国会内で総会を開き、新会長に山谷えり子参院議員を選出しました。設立以来会長を務めてきた高市早苗首相は顧問に就きます。総会では、2026年7月1日に施行される中国の「民族団結進歩促進法」への深刻な懸念が相次ぎました。同法は教育・言語から宗教・対外発信にまで及ぶ広範な同化政策を法制化したもので、海外の組織や個人に対しても法的責任を追及できる域外適用条項を含んでいます。山谷新会長は超党派の議員連盟と連携して懸念声明を準備する考えを示しました。
南モンゴル議連の新体制 高市早苗首相の後を引き継いだ山谷えり子氏
自民党有志による「南モンゴルを支援する議員連盟」は2026年6月4日、国会内で総会を開き、新会長に山谷えり子参院議員を選出しました。
議連は、中国共産党政府が「内モンゴル自治区」と呼ぶ「南モンゴル」でモンゴル人への弾圧が深刻化したことを受けて、モンゴル民族の文化継承と人権保護を後押しする目的で2021年4月に設立されました。設立以来、高市早苗首相が会長を務めており、今回首相は顧問に就くことになります。
新体制では副会長に城内実経済財政担当相、幹事長に山田宏参院議員、事務局長に上野宏史衆院議員が就きました。中国・内モンゴル自治区では2020年秋以降、憲法上認められていたモンゴル語による教育が大幅に制限され、「国語」「歴史」「道徳」の教科書がモンゴル語から中国語に順次切り替えられるという同化政策が進んでいます。
「民族自決だ」 楊海英氏が訴えた現状と日本への圧力
総会では、内モンゴル自治区出身者らで構成する「世界モンゴル人連盟」の理事長を務める楊海英氏が登壇し、内モンゴル自治区で暮らす南モンゴル人の置かれた状況を告発しました。
楊氏は「同胞が中国で奴隷のように扱われている。この状況に満足するモンゴル人はいない。モンゴル人全員が民族自決と北モンゴルとの統一を求めている」と力を込めて訴えました。また同氏は日本に帰化した後も中国当局から圧力を受け続けており、最近、1989年に中国・北京で民主化運動が軍事鎮圧された「天安門事件」をSNSに投稿したところ、介護施設入所といった虚偽の申し込みなどの嫌がらせが相次いでいると明かしました。
日本国内に住む人への圧力・嫌がらせは中国共産党による越境弾圧そのもの。このような行為を日本政府は絶対に許してはいけない
世界モンゴル人連盟のダルハド・ハスチョロ理事長も「SNSで内モンゴルの子どもの動画を見ると、日本にいるモンゴル人の子どもよりも下手なモンゴル語で話している。モンゴル人の顔をした小さな中国人のようだ」と同化政策の進展を危惧し、民族団結進歩促進法を「少数民族の属性を否定し、民族ジェノサイドをスムーズに進めるためのツールだ」と批判しました。
モンゴル語を奪われた子どもたちには文化のアイデンティティーがなくなってしまう。これは文化の抹殺であり、許されない
中国「民族団結進歩促進法」が7月1日施行 日本人・日本企業にも域外適用の危険
総会で特に強い懸念が示されたのが、2026年3月12日に全国人民代表大会(全人代)で可決され、2026年7月1日に施行される「民族団結進歩促進法」の存在です。同法は「中華民族共同体意識」の強化を国家全体の任務として位置づけ、教育・言語・出版・インターネット・企業活動・宗教・対外発信・香港・マカオ・台湾・海外華僑まで一体で規律する構造になっています。
この法律は、すべての子どもに対し幼稚園から高校終了まで標準中国語(普通話)を教えるよう義務づけています。これまでチベット語・ウイグル語・モンゴル語などそれぞれの母語でカリキュラムを学べていた少数民族の子どもたちへの影響は計り知れません。
さらに重大なのが域外適用の規定です。中華民族の団結を阻害したと判断した外国の組織や個人に対しても「法的責任を追及する」と明記されており、日本国内で中国の少数民族問題に関する情報発信や支援活動を行う団体・個人も対象になる危険性があります。中国がすでに実施している越境的な嫌がらせ行為が、この法律によって法的根拠を持つことになると指摘されています。
民族団結促進法は日本にいる活動家や研究者まで処罰の対象にしかねない。日本政府は独自のスパイ防止法を早急に整備して国民を守るべきだ
超党派で懸念声明を準備 日本政府の毅然たる対応が急務
山谷えり子新会長は同法が施行される影響を注視する考えを示し、「深い懸念を示すものを作って対応したい」と述べました。日本ウイグル国会議員連盟や日本チベット国会議員連盟など超党派の議連と連携して懸念声明を準備する考えも示しています。
民族浄化に等しい同化政策が法律として整備されるという事態に対し、日本が国際社会と連携して明確な立場を示すことが求められます。ダルハド・ハスチョロ理事長は「日本を始め、民主国家にいる皆さんにとって当たり前の自由と人権は、私たちにとって喉から手が出るほど望んでも手に入らない。自由と人権を手に入れるために応援してほしい」と日本の国会議員に訴えました。
域外適用条項を持つ中国の民族団結進歩促進法は、日本国内での言論・表現活動にも影響を及ぼしかねない問題です。日本政府が声明にとどまらず、具体的な外交行動や法整備で対応することが急がれます。
「自由と民主主義が当たり前の社会に生きる日本人として、民族の言語と文化を奪われた人々のために声を上げることは責任だと思う」
「中国の法律が日本在住の活動家にまで適用されるなら、日本の主権への侵害だ。国会議員はこの問題をもっと真剣に議論すべきだ」
まとめ
- 「南モンゴルを支援する議員連盟」が2026年6月4日に総会を開き、山谷えり子参院議員を新会長に選出。高市早苗首相は顧問に就任。
- 議連は2021年4月に高市早苗氏主導で設立。内モンゴル自治区でのモンゴル語教育廃止など同化政策への対抗を目的とする。
- 楊海英・世界モンゴル人連盟理事長が「民族自決」「南北統一」を訴え。天安門事件投稿後に日本国内で嫌がらせを受けていることも明かした。
- 中国「民族団結進歩促進法」が2026年7月1日施行。幼稚園から高校まで標準中国語を義務化し、少数民族の母語教育を実質的に禁止する。
- 同法は域外適用条項を持ち、海外の組織・個人に対しても法的責任を追及できると明記。日本人や日本企業にも影響が及ぶ可能性がある。
- 山谷新会長は超党派の日本ウイグル国会議員連盟・日本チベット国会議員連盟と連携して懸念声明を準備する考えを示した。
- 中国の越境弾圧への対抗措置として、日本のスパイ防止法整備と毅然たる外交対応が急務となっている。