2026-07-15 コメント投稿する ▼
群馬県、外国人観光誘致に300万円。効果測定不明瞭な「バラマキ」か
この事業は「令和8年度 多言語情報発信事業及び海外インフルエンサー等招請事業」と名付けられ、約300万円の予算が計上されています。 問題は、この「多言語情報発信事業及び海外インフルエンサー等招請事業」に充てられる300万円という予算規模と、その計画の曖昧さにあります。
なぜ群馬県は外国人誘致に注力するのか
コロナ禍を経て、国内外で観光需要が回復する中、地方自治体は地域経済活性化のために外国人観光客の誘致に力を入れています。群馬県も例外ではなく、温泉や自然、食といった独自の魅力を海外にアピールし、地域経済の活性化につなげたい考えです。山本知事はかねてより、積極的な情報発信で群馬県の魅力を高めることに意欲を示しており、今回の事業はその一環と位置づけられます。
300万円の予算、事業内容は?
この事業は「令和8年度 多言語情報発信事業及び海外インフルエンサー等招請事業」と名付けられ、約300万円の予算が計上されています。事業内容としては、訪日外国人旅行者向けの観光情報発信媒体、すなわちウェブサイトやSNS、動画プラットフォームなどを活用し、群馬県の観光情報を発信することが求められています。特に、英語と中国語(繁体字)による発信が必須とされています。
また、海外インフルエンサーを群馬県に招き、SNSなどを通じて群馬県の魅力を発信してもらうことも計画されています。これは、ターゲット市場における認知度向上及び来訪意欲の醸成を図るための施策とのことです。しかし、その具体的な目標設定や、事業の進捗・成果をどのように測定するのかといった詳細については、現時点では明らかにされていません。
「バラマキ」との批判は免れない
問題は、この「多言語情報発信事業及び海外インフルエンサー等招請事業」に充てられる300万円という予算規模と、その計画の曖昧さにあります。事業の目的が「認知度向上」や「来訪意欲醸成」といった抽象的な表現にとどまり、具体的にどのような数値目標(KGIやKPI)を設定し、達成度をどのように測るのかが全く示されていないのです。
「事業者の募集を開始した」という段階であり、これから事業者が企画を練るのだろうという見方もあります。しかし、そもそも「300万円」という限られた予算で、どれほどの「認知度向上」や「来訪意欲醸成」が期待できるのか、甚だ疑問と言わざるを得ません。効果測定が不可能な事業に公的予算を投入することは、税金の「バラマキ」に他ならず、国民からの信頼を失う行為と言えるでしょう。
さらに、海外インフルエンサーを招請するにしても、その選定基準が明確でなければ、誰がどのような基準で選ばれるのか不透明になります。彼らが発信する情報が群馬県の魅力を正確かつ魅力的に伝えられるものなのか、また、それによってどれだけの旅行者が実際に群馬県を訪れるのか、といった効果測定は容易ではありません。SNSでの「いいね」やフォロワー数といった指標は、実際の観光客誘致に直結するとは限らず、数字だけを追いかけた「見せかけの成果」に終わる可能性が極めて高いのです。
効果的な誘致策とは
このような事業に対し、保守的な立場からは、税金の使われ方として「バラマキ」ではないか、という批判が当然出てきます。公的な予算は、明確な成果目標(KGI、KPI)を設定し、費用対効果を厳密に検証した上で、住民の生活向上や地域社会の発展に直接的に貢献する事業に優先的に配分されるべきです。国際的な観光客誘致という目標自体は理解できるものの、そのために投じられる税金が、国民の信頼を得られるような明確な計画と検証体制のもとで行われているのか、厳しく問う必要があります。
今回の群馬県の施策は、その「厳格さ」を欠いていると言わざるを得ません。300万円という予算は、例えば、地域住民向けの防災訓練の拡充や、子育て支援策の強化、あるいは高齢者福祉の充実など、より切実なニーズに応えるための予算としては、いくらでも有効活用できる金額です。国際的な観光客誘致という目標自体は理解できますが、そのための方法論や予算配分には、より一層の透明性と具体性、そして費用対効果を厳密に評価する仕組みが不可欠です。
まとめ
- 群馬県は、英語圏・中国語圏からの外国人旅行者誘致のため、300万円を投じる「多言語情報発信事業及び海外インフルエンサー等招請事業」を実施する。
- 事業の目的は「認知度向上」や「来訪意欲醸成」と抽象的で、具体的な成果目標(KGI/KPI)が不明瞭である。
- 限られた予算での効果測定が困難であり、税金の「バラマキ」ではないかとの批判は避けられない。
- 公的予算の執行には、明確な計画と厳密な効果測定、費用対効果の検証が不可欠である。