2025-11-28 コメント投稿する ▼
東京都がクマ緊急パトロール開始、西多摩地域で都猟友会ハンターが銃器携行巡回
東京都内でツキノワグマの目撃が相次いでいることを受け、東京都は2025年11月28日、西多摩地域を中心とした「クマ緊急パトロール」の実施を発表しました。都猟友会のメンバーが銃器を携行して3人1組で生活エリアを巡回し、クマの出没を警戒します。実際にクマが現れた場合は爆竹などで追い払い、状況によっては2025年9月に施行された「緊急銃猟制度」に基づく発砲も想定しています。世界的にも珍しい「クマが生息する首都」として、住民の安全確保が急務となっています。
3人1組のハンターチームが市街地を巡回
「クマ緊急パトロール」は八王子市、青梅市、あきる野市、奥多摩町、日の出町、檜原村で週3回程度実施されます。目撃情報が多い住宅や施設などがある生活エリアを都猟友会のメンバーが銃器を携行して巡回し、クマの出没を警戒します。実施期間はクマが冬眠に入る目安とされる12月末までです。
東京都によると、2025年4月1日から11月27日までのクマ目撃件数は166件に上り、特に西多摩地域の東側の市街地付近で増加傾向にあります。東京都環境局が公開する「TOKYOくまっぷ」では、奥多摩町や檜原村の山間部から青梅市、あきる野市、八王子市の高尾山周辺まで、市街地に近い多摩丘陵方面への生息域拡大が確認されています。
都の担当者は「見回りを行うことで、まず住民の皆さんの安心と安全につなげたい」と説明しており、人と野生動物の共存を図りながら住民の安全確保を最優先とする姿勢を示しています。
「まさか東京でクマに遭遇するとは思わなかった。パトロールがあると安心」
「高尾山でハイキングしてたら注意看板があって驚いた」
「銃を持った人が街中を歩くのも怖いけど、クマよりはマシかな」
「奥多摩の方に住んでるから本当に他人事じゃない」
「東京にクマがいるって知らない人も多いんじゃないかな」
緊急銃猟制度で迅速な対応が可能に
パトロール中にクマを発見した場合は、まず爆竹などで追い払いを試みます。しかし、クマが長時間とどまる場合など、状況によっては市町村判断で発砲できる「緊急銃猟」を実施することも想定されています。この制度は2025年9月に施行された改正鳥獣保護管理法によるもので、住民の生命に危険が及ぶと判断される場合に市町村長の判断で銃器による捕獲が可能となりました。
従来は住宅密集地での猟銃使用が厳しく制限されており、市街地にクマが出没した場合は警察官からの命令があった場合などに限られていたため、対応に時間を要していました。緊急銃猟制度により、人の日常生活圏に現れ危害を及ぼす恐れが大きいヒグマ、ツキノワグマ、イノシシを「危険鳥獣」として、迅速な対応が可能となりました。
実施には住民への弾丸が達するおそれがないことや、銃以外の方法では迅速な捕獲が困難であることなどの厳しい条件が課されており、市町村長による通行制限や避難指示の権限も設けられています。
世界的に珍しいクマが生息する首都の課題
東京都は世界的にも珍しい「クマが生息している首都」です。西多摩地域の森林にはツキノワグマが生息しており、繁殖率が低く一度減少すると回復が困難な動物である一方、人身被害や農林水産業被害を引き起こす加害獣でもあります。東京都レッドリスト2020年版では、南多摩地域で絶滅危惧2類、西多摩地域で準絶滅危惧として評価されており、保護の重要性も指摘されています。
近年の異常気象による木の実の不作や個体数の増加による生息分布域の拡大が、市街地への出没増加の主な原因と考えられています。都は2008年4月1日から狩猟による捕獲を禁止している一方で、住民の安全確保と野生動物保護の両立という難しい課題に直面しています。
東京都は狩猟免許試験の実施回数を増やすなどハンターの育成強化も進めており、高齢化が進む担い手不足の解決にも取り組んでいます。今回のクマ緊急パトロールは、都市部におけるクマ対策の新たな試みとして、全国の自治体からも注目されています。