2025-06-28 コメント: 2件 ▼
石破首相「減税は金持ちが得」発言に異論噴出 東大院教授が論破「理論的には逆」
石破首相の“減税批判”に広がる違和感
「お金持ちほど消費する。だから消費税を下げれば、金持ちがより得をする」――。石破茂首相が6月28日に行ったこの発言が、各地で驚きと反発を呼んでいる。参院選を目前に控え、多くの野党が掲げる「消費税減税」に対し、「格差を拡大する危険がある」と警鐘を鳴らした格好だが、専門家からは即座に異論が上がった。
東京大学大学院の内山融教授(政治学)は、「石破首相の発言は租税理論に反する」と断言。「消費税は典型的な“逆進課税”。つまり、所得が低い人ほど、収入に占める消費税の割合が高くなり、負担が重い。だからこそ、消費税を減税すれば、最も恩恵を受けるのは高所得層ではなく低所得層だ。理論的には逆である」と明確に否定した。
この「逆進性」という考え方は、税制を議論する上で基本とされる概念。人は収入にかかわらず、食料品や日用品など生活必需品には一定額の支出をせざるを得ない。結果として、年収200万円の人が毎月10万円を消費すれば、8%の消費税で8,000円、つまり年収の4.8%が消費税として出ていく。一方、年収2,000万円の人が月50万円を消費しても、消費税は4万円。年収比ではわずか2.4%に過ぎない。このように、数字を冷静に見れば「誰がより苦しんでいるか」は明らかだ。
「“お金持ちが得”って、どう考えても違うでしょ」
「東大の教授に理論的に論破される首相って情けない」
「生活必需品にかかる税金は、貧しい人ほどきついよ」
「給付より減税の方が、ずっと継続的でまし」
「政治家の“財源がー”は、減税やりたくない言い訳に聞こえる」
野田佳彦代表「減税こそが生活者の味方」
こうしたなか、野田佳彦・立憲民主党代表は、消費税減税を「生活者に寄り添う真の経済対策」として正面から主張している。石破氏の発言については名指しを避けつつも、「いま最も必要なのは、恒常的な負担軽減であって、一時金のばらまきではない」と、政府の方針に疑問を呈した。
野田代表は街頭演説などで一貫して「給付金は一度限りの安心。減税は毎日の支え」と繰り返している。特にガソリンや食料品といった生活必需品の価格高騰が続く中、消費税減税の必要性はより一層高まっているという立場だ。
「この国の政治がやるべきことは、帳尻合わせの財政論ではない。現場の暮らしの実感に応える政策だ」と語り、ガソリン暫定税率の廃止や食料品へのゼロ税率など、明確な代案も示している。
民意は明らか、「減税を望む声が7割」
石破首相や自民党幹部が「社会保障の財源が失われる」として消費税減税に慎重姿勢を崩さない一方で、国民の意識は明確に「減税支持」へと傾いている。共同通信社が6月28・29日に実施した世論調査では、「消費税減税」を望む人が70.0%、「現金給付」は23.8%にとどまった。
こうした世論に対し、野田代表は「国民の声を受け止めるのが政治の責任」と断言。「声を上げ続ければ政治は動く。事実、我々が中心となって衆議院を通過させたガソリン税廃止法案がその証だ」と、減税に向けた現実的な歩みを強調した。
野田代表の「生活の現場を見て、現場から考える政治」という姿勢は、派手なパフォーマンスを好まないが、地に足の着いた政策実行を求める有権者からはじわじわと支持を集めている。
選挙の争点は「給付か、減税か」
参院選を前に、各党の消費税政策は明確に分かれ始めている。自民党は減税を行わず、一律2万円の給付金で対応する姿勢を打ち出した。公明党もこれに同調。一方で、立憲民主党は「食料品の税率を1年間ゼロに」と主張し、日本維新の会も2年間のゼロ税率を掲げる。国民民主党は一律5%への時限的引き下げを提案しており、れいわ新選組や共産党は「将来的な廃止」を視野に入れている。
このように、選挙戦では「一時金か恒久減税か」「表面的な数字か実質的な生活か」が問われている。東大教授による“理論的な論破”は、その焦点を鋭く浮き彫りにした格好だ。