2025-06-23 コメント: 1件 ▼
石破首相「3つのアプローチ」で政策推進 物価高・関税・地方創生に重点
石破首相「3つのアプローチ」で日本再生へ 物価高・関税・地方創生に重点
石破茂首相は6月22日、通常国会の閉会を受けて記者会見を行い、今後の政権運営の指針として「今日の悩みを取り除く」「明日への不安を払拭する」「希望ある未来を創る」の“3つのアプローチ”を掲げ、経済・外交・地方政策を総合的に強化していくと明言した。
石破首相は「今日より明日が良くなるという実感が持てる日本を実現したい」と述べ、自民党の参院選公約にも盛り込まれた2040年に名目GDP1000兆円、平均所得5割以上増という目標を改めて示した。
会見では、その実現のための柱として、物価高と賃上げ、関税問題への対処、地方創生という3つの分野に注力する姿勢を明確にした。
「3つのアプローチ、言葉だけじゃなく具体性が問われる」
「まず“今日の悩み”をどうにかしてくれ。生活がもうギリギリなんだよ」
物価高と賃上げ対策に「今日の悩み」解決の重点
最初のアプローチである「今日の悩みを取り除く」では、賃上げと物価高対策を最優先課題に挙げた。石破首相は前日にも医療・福祉分野の公定価格引き上げを表明しており、今回はそれをさらに経済全体へ波及させる形で、可処分所得の増加と生活費の負担軽減を進める意向を示した。
これまで政府は「物価上昇率を超える賃上げ」を掲げてきたが、実質賃金がマイナスで推移する中、その実効性が問われている。石破首相は「既存の予算と施策を総動員し、的確な経済財政運営を行う」と述べ、補正予算編成も視野に入れているとみられる。
「増税ではなく減税で“今日の悩み”を取り除いてほしい」
「物価に勝る賃上げを、と言われても庶民の給与は全然上がらない」
対米交渉と社会保障改革で「明日への不安」払拭を
第2のアプローチは「明日への不安を払拭する」。石破首相はここで、アメリカによる関税措置への対応や社会保障制度の見直しに言及した。
特に重要視されているのが、アメリカによる農産品や鉄鋼製品などへの関税強化の動きであり、これに対して石破政権がどのように交渉力を発揮するかが注目される。日本の農業や製造業への打撃が想定される中、「外交と国益の均衡」をどこに置くのかが問われる。
さらに、年金・医療・介護などの持続可能性についても、「社会保障改革に踏み込む時期にある」と指摘。これにより将来世代の不安を減らす政策基盤を構築するとした。
「関税の話、ちゃんとやってくれるなら期待したい」
地方創生が“未来創り”の要 人口減少社会への布石か
第3のアプローチとして示されたのが、「希望ある未来を創る」。ここでは、石破首相の肝煎り政策である地方創生に再び力を入れる考えが表明された。
首相はかつて地方創生担当大臣を務めた経歴を持ち、「人が集まり、育ち、還ってくる地方を再構築する」として、新たな地方中核都市への投資拡大、交通・通信インフラの強化、若者世代の定着支援などを軸とする成長戦略を描いている。
少子高齢化の進行が激しい中、人口減少に歯止めをかける地方政策は経済・社会保障・教育政策と密接に絡んでおり、単なるスローガンで終わらせない実行力が求められる。
「結局、東京ばっかり栄えて、地方は過疎化してるままじゃん」
“財源なき理想”にならぬよう、減税と歳出見直しのセットを
石破首相はこの日の会見で消費税には触れなかったものの、これまでに現行税率維持の方針を繰り返し明言している。だが、賃上げや地方創生を進めるにあたっては、国民の消費を促す減税政策の導入も同時に求められている。
「今日の悩み」「明日の不安」「未来の希望」という3本柱は、的確に整理されたビジョンではある。しかし、それを実行するための財源や優先順位が不明確なままでは、「理想論」として終わる危険性もある。
参院選を目前に控え、石破首相の掲げるアプローチが“語るだけ”にとどまるのか、それとも実効性のある政策として国民の信頼を得られるのかが、今後の政権運営の正念場となる。