2025-06-06 コメント投稿する ▼
衆院解散のタイミングは限られる?首相外遊と行幸啓が重なり日程に難航も
首相外遊と陛下の地方行幸啓が重なる異例の国会終盤
6月22日に予定されている通常国会の会期末を前に、永田町では衆院解散の可能性が取り沙汰されている。石破茂首相が内閣不信任決議案を受けて衆院解散・総選挙に踏み切るとの観測が強まる中、その日程調整が極めて難航する可能性が出てきた。原因は、国会終盤に予定されている首相の外遊と、天皇・皇后両陛下による地方訪問が重なるという、極めて珍しいスケジュールだ。
6月15日から17日にかけて、石破首相はカナダで開催されるG7サミットに出席する予定で、帰国は18日と見込まれている。続く19日と20日は、天皇・皇后両陛下が広島県を訪問され、被爆者との面会や豪雨災害被災地の視察などを行う。これにより、首相と天皇陛下がともに在京する日が、実質的に解散可能な平日には存在しないという異例の状況が生まれている。
衆院解散に必要な「一日」が確保できるのか
衆議院の解散は、日本国憲法第7条に基づく天皇の国事行為である。一般的には、朝の閣議で解散が決定され、官邸事務方が皇居へ向かい、天皇陛下が署名・押印した解散詔書を受け取り、午後に開かれる本会議で衆院議長が「衆議院を解散する」と詔書を読み上げるまで、丸一日を要する。
しかし、今国会の終盤にはその「一日」を確保するのが極めて困難だ。19日と20日は平日ではあるが、陛下は地方に滞在されている。19日午前に皇居を出発し、20日午後に帰京されるため、解散詔書への署名・押印のための時間を確保できるかどうかは微妙なところだ。
林芳正官房長官は6日の記者会見で、「天皇陛下が地方行幸中に解散を決定した前例はある」と述べたが、それ以上は踏み込まず、「解散は首相の専権事項」と強調するにとどめた。
代行も可能だが前例なし “土曜国会”の可能性も
政府の見解では、天皇が不在の場合でも、皇嗣である秋篠宮さまが署名・押印を行う「臨時代行」は法的に可能とされている。実際に、2022年にも国会終盤に陛下の海外訪問が重なった際、当時の松野博一官房長官が「臨時代行に制限はない」と明言した。しかし、これまでそのような代行での解散詔書発出の前例はなく、現実的な選択肢とみなされることは少ない。
別のシナリオとしては、20日(金)中に帰京された陛下が即日署名・押印を行うか、あるいは21日(土)に“異例の本会議”を開くことで、解散詔書を読み上げるケースが想定される。いわゆる「土曜国会」での衆院解散という極めて異例な形だ。
さらに、会期を数日延長して翌週に日程をずらす案も取り沙汰されている。仮に22日(日)で会期を終える場合、公職選挙法の規定から総選挙の投開票日は「7月20日」となるが、5日以上延長した場合は「7月27日」への移行も可能だ。
「衆参同日選」の可能性と与野党の駆け引き
石破政権としては、衆院単独選挙よりも「衆参同日選挙」を実施したほうが有利との見方も根強い。参院の一部改選と同時に行えば、選挙資源の集中や相乗効果によって与党支持層をより動員しやすくなる。ただし、それには会期延長が必須となるため、与野党の駆け引きが一層激しくなることは避けられない。
野党側は、G7サミット帰国直後の不信任案提出を視野に入れているとされる。会期末での提出であれば、首相は解散か不信任案の否決を迫られ、いずれにせよ政治的な注目は最高潮に達する。
ネットの反応
ネット上でも、今回の国会終盤の「異例づくし」の日程に多くの声が上がっている。
「陛下の広島訪問と衆院解散が重なるとか、これ本当に前代未聞では…?」
「21日に土曜国会やるつもり?それとも秋篠宮に押させるの?」
「もう“7条解散”が儀式化してるのがおかしいって話にもなるな」
「石破さん、本当に勝負をかけるなら同日選で勝ちにいくしかないよ」
「G7帰国即解散って、海外の首脳との握手の余韻も冷めぬまま選挙かよ」
首相の動き、天皇のご予定、野党の出方、そして憲法上の手続きが複雑に絡み合う今回の衆院解散シナリオ。政治日程のわずかな隙間に、極めて重大な決断が滑り込むのか――その一挙手一投足に全国の注目が集まっている。