2026-03-04 コメント投稿する ▼
生活保護申請6年連続増で過去最多 2025年25万6438件 物価高で高齢者・現役世代とも困窮
生活保護申請件数が6年連続で増加している背景には、長引く物価高があります。 特に、年金だけでは生活できない高齢者や、非正規雇用で働く現役世代が生活保護の申請に至るケースが増えています。 2025年12月の申請件数は1万8586件で前年同月比0.2パーセント増でしたが、実際に生活保護を受け始めた世帯数は1万8623世帯と1.9パーセント減少しました。
厚生労働省の統計に基づき集計されたもので、2025年3月までは確定値、4月以降は速報値となっています。2025年12月の生活保護申請件数は1万8586件で、前年同月と比べて0.2パーセント増えました。増加は3カ月ぶりです。
2025年12月から生活保護を受け始めたのは1万8623世帯と1.9パーセント減少しました。申請件数は増加している一方で、実際に受給を開始した世帯数は減少しており、審査の厳格化や申請の取り下げなどが背景にあると考えられます。
「物価高で生活が苦しくなっている」
「6年連続増加は深刻な状況だ」
「現役世代の申請も多いのが気がかり」
「高齢者だけでなく若い人も困っている」
「セーフティネットの重要性が増している」
物価高が生活困窮を加速
生活保護申請件数が6年連続で増加している背景には、長引く物価高があります。食料品やエネルギー価格の上昇が続き、低所得層を中心に家計を圧迫しています。特に、年金だけでは生活できない高齢者や、非正規雇用で働く現役世代が生活保護の申請に至るケースが増えています。
2025年の申請件数25万6438件は、現行の調査方式になった2013年以降で最多となりました。2013年以降、申請件数は一時期減少傾向にありましたが、2020年以降は増加に転じています。新型コロナウイルス感染症の影響による経済活動の停滞、その後の物価高が、生活困窮者の増加につながっていると考えられます。
単身の高齢者に加え、現役世代の申請も多いことが特徴です。非正規雇用の増加や賃金の伸び悩みにより、働いていても生活が苦しい人が増えています。特に、子育て世帯や単身世帯で、収入が少なく貯蓄もない人が、物価高により生活保護の申請に追い込まれているケースが目立ちます。
申請と受給開始のギャップ
2025年12月の申請件数は1万8586件で前年同月比0.2パーセント増でしたが、実際に生活保護を受け始めた世帯数は1万8623世帯と1.9パーセント減少しました。申請件数が増加している一方で、受給開始世帯数が減少している背景には、いくつかの要因が考えられます。
一つは、審査の過程で申請が却下されるケースです。生活保護の受給には、資産や収入、扶養義務者の状況などの厳格な要件があります。申請しても要件を満たさないと判断され、受給に至らないケースがあります。また、申請後に親族からの援助が得られたり、就職が決まったりして、申請を取り下げるケースもあります。
さらに、いわゆる水際作戦と呼ばれる、福祉事務所の窓口で申請を受け付けない対応が一部で行われているという指摘もあります。生活保護は国民の権利であり、要件を満たせば受給できるはずですが、実際には申請のハードルが高いと感じる人もいます。こうした状況が、申請件数と受給開始世帯数のギャップを生んでいる可能性があります。
セーフティネットの課題
生活保護は、日本の社会保障制度における最後のセーフティネットです。憲法第25条が保障する健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を実現するための制度です。しかし、実際には、生活保護を必要としながらも申請していない人が多数いるという指摘があります。
厚生労働省の推計によれば、生活保護の受給資格がありながら実際には受給していない人の割合、いわゆる捕捉率は2割程度とされています。つまり、本来受給できるはずの人の8割が受給していないということです。生活保護に対するスティグマ、申請手続きの複雑さ、情報不足などが、申請をためらわせる要因となっています。
一方で、不正受給の問題も指摘されています。生活保護費は全額税金で賄われているため、不正受給は許されません。しかし、ごく一部の不正受給のケースがメディアで大きく報じられることで、生活保護全体に対する否定的なイメージが広がり、本当に必要な人が申請をためらう要因にもなっています。
今後の見通しと政策課題
生活保護申請件数が6年連続で増加し、現行調査方式で最多となったことは、日本社会における生活困窮の深刻化を示しています。高齢化の進展により、年金だけでは生活できない高齢者が今後も増えると予想されます。また、非正規雇用の増加や賃金の伸び悩みにより、現役世代の生活困窮も続くと考えられます。
政府は、物価高対策として給付金の支給や、低所得者向けの支援策を実施していますが、根本的な解決には至っていません。最低賃金の引き上げ、年金制度の改革、非正規雇用の待遇改善など、構造的な問題に取り組む必要があります。
生活保護制度そのものについても、見直しが求められています。申請手続きの簡素化、スティグマの解消、適正な審査の実施など、本当に必要な人が適切に支援を受けられる仕組みづくりが重要です。生活困窮者を社会全体で支えるという視点が、今後ますます重要になってきます。