2025-10-15 コメント投稿する ▼
ロシアが北方領土周辺で無害通航権停止通告 色丹島軍事演習に日本政府厳重抗議
ロシアが日本固有の領土である北方領土周辺の海域で、各国の船舶に無害通航権を停止すると一方的に通告したことが2025年10月15日に明らかになりました。 外務省によると、ロシアは2025年10月13日から、不法占拠を続ける色丹島、国後島、歯舞群島、択捉島の周辺海域や北海道東方の海域などを指定し、ロシア船籍以外の外国軍艦や外国公船の無害通航権を停止すると通告しました。
ロシアが通航権停止を通告
外務省によると、ロシアは2025年10月13日から、不法占拠を続ける色丹島、国後島、歯舞群島、択捉島の周辺海域や北海道東方の海域などを指定し、ロシア船籍以外の外国軍艦や外国公船の無害通航権を停止すると通告しました。政府は外交ルートで抗議し、ロシア側の主張に基づく無害通航権停止は北方四島に関する日本の立場に反すると伝えました。
「また北方領土問題か。ロシアはやりたい放題だな」
「日本の領土なのに抗議しかできないのが悔しい」
「政府は強く出てほしい。このままじゃ取り返せない」
「ウクライナ侵攻から続くロシアの強硬姿勢が心配」
「元島民の方々の平均年齢を考えると時間がない」
国連海洋法条約では、沿岸国の安全を侵害しない限り、他国の領海を自由に航行できる無害通航権を認めています。沿岸国は自国の安全保障に不可欠な場合に限り、無害通航権を一時停止できますが、外務省によるとロシア側から具体的な理由の説明はありません。ロシアは2025年4月にも同様の海域で各国船舶の無害通航権を停止すると通告しており、今回で2度目の措置となります。
色丹島周辺で軍事演習も実施
さらにロシアは2025年10月10日から11月1日まで、色丹島北方の複数区域で射撃演習を行うと通告しました。政府は北方四島における軍備強化の動きは日本の立場と相いれず、受け入れられないと抗議しました。
ロシアは2025年8月にも終戦の日を含む時期に同様の区域で軍事演習を実施すると通告したほか、6月から7月、4月にも北海道近海や北方領土を含む広範囲の区域を演習場所に指定し、日本政府がそれぞれ抗議していました。こうした動きについて専門家は、オホーツク海に接する北方領土の軍事的重要性が高まっていることが背景にあると指摘しています。
既成事実化への懸念
北方領土は択捉島、国後島、色丹島、歯舞群島の4島から成り、総面積は福岡県や千葉県とほぼ同じ大きさです。第二次世界大戦末期の1945年8月、ソ連は日ソ中立条約を無視して対日参戦し、日本が降伏した後も攻撃を続けて北方四島を占領しました。現在もロシアによる不法占拠が続いており、2025年時点で約1万8000人のロシア人が居住しています。
ロシアは近年、北方領土に地対空ミサイルシステムや地対艦ミサイルを配備するなど、軍事活動を活発化させています。こうした動きは太平洋への出口として北方領土が持つ戦略的価値を背景に、実効支配を強化する狙いがあるとみられます。
日本政府の対応と今後の課題
日本政府は北方四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結するとの基本方針の下、粘り強く外交交渉を進めています。しかし2022年2月のウクライナ侵攻以降、ロシアは北方領土問題を含む平和条約交渉について継続する意思はないと中断を通告しており、交渉の見通しは立っていません。
元島民の平均年齢は2024年6月末時点で88歳を超えており、故郷への帰還を望む声は日に日に切実さを増しています。今回の無害通航権停止や軍事演習の通告は、ロシアが管轄権を主張し続けることで不法占拠を既成事実化しようとする動きと受け止められており、政府は引き続き警戒を強めています。