2026-03-05 コメント投稿する ▼
小泉防衛大臣、自衛隊機派遣準備を指示 イラン情勢緊迫で日本人退避に備え
小泉進次郎防衛大臣は2026年3月1日、米国とイスラエルによるイラン攻撃に伴う中東情勢の緊迫化を受け、日本人の退避に備えて自衛隊機を派遣する準備に着手したことを明らかにしました。 小泉防衛大臣は防衛省内で記者団に対し、「常に部隊をすみやかに派遣する態勢を整えている」と強調しました。
小泉防衛大臣は防衛省内で記者団に対し、「常に部隊をすみやかに派遣する態勢を整えている」と強調しました。また、自身のSNSでも、自衛隊の部隊を進出させるルートの検討、使用する機体や要員の選定など、出国に向けた調整に入ると表明しました。
イラン全土に退避勧告
外務省はイラン全土に危険情報の最高レベルである「レベル4(退避勧告)」を発出しています。2026年2月28日には、イスラエルの危険情報も不要不急の渡航をやめるよう求める「レベル2」だった地域を「レベル3(渡航中止勧告)」に引き上げ、イスラエル全土がレベル3以上となりました。
茂木敏充外相は3月1日の衆院予算委員会で、イランの在留邦人約200人の安否について「ほぼ全員とすでに連絡を取っている」と説明しました。同国に残っている人は家族がいるなどの永住者が大半で、政府高官は「現時点でこれ以上の退避希望者はいない」と述べています。
「自衛隊機派遣は当然の措置、邦人保護は国の責務」
「中東情勢がここまで緊迫するとは、油断できない」
「常に部隊を派遣できる態勢を整えているのは頼もしい」
「イランだけでなく周辺国も危険、早めの対応が必要」
「2025年夏から準備していたとは先見の明がある」
防衛省が対策本部を設置
2026年2月28日深夜、米国とイスラエルがイランに対する大規模な攻撃を実施し、首都テヘランなどを空爆しました。これを受けて3月1日午前1時過ぎ、小泉防衛大臣は緊急の記者会見を開きました。
小泉大臣は国家安全保障会議に出席したことを明らかにし、「攻撃の発生後直ちに、総理から関係省庁に対し、情報収集を徹底するとともに、今も現地に残っておられる邦人の方々の安全確保に向け、万全の措置を講じるよう指示があった」と説明しました。
防衛省は小泉大臣を本部長とする対策本部を立ち上げました。大臣は「現時点で、防衛省・自衛隊が第一に備えるべき任務は、要請に応じて邦人輸送を行うこと」とし、「その待機態勢は常に整えている」と強調しました。
過去の邦人退避の教訓
日本政府は2025年夏から中東情勢の悪化に備えて邦人退避の準備を進めてきました。2025年6月にイランとイスラエルの交戦が発生した際には、航空自衛隊のC2輸送機をアフリカ東部ジブチに派遣し、邦人輸送に備えました。
当時、イランの空港が封鎖されたため、日本政府は現地の大使館がバスを用意して隣国アゼルバイジャンに邦人を輸送しました。攻撃の応酬が続いていたイスラエルからも同じ手段でヨルダンに運び、ジブチに待機させた自衛隊輸送機で空路輸送できる体制を整えました。
イランには2025年10月時点で327人の邦人がいましたが、それから5カ月で約4割減の200人となりました。2026年1月中旬に情勢の悪化を受けて同国全域を最高危険レベルの4(退避勧告)に引き上げたことで、帰国する邦人が増えました。
自衛隊法に基づく邦人輸送
自衛隊による緊急時の邦人輸送は、自衛隊法84条の4で規定されています。防衛大臣が外務大臣の要請を受けて、部隊に出動を命じる仕組みです。輸送する対象は在外邦人だけでなく、日本大使館や独立行政法人で働く外国人らも含まれます。
自衛隊機による邦人退避は2016年に南スーダンで大使館職員を輸送した事例などがあります。2021年8月にアフガニスタンでイスラム主義組織タリバンが首都を制圧した際には、自衛隊機の派遣を検討しましたが、現地の治安情勢が急激に悪化したため、関係国の軍用機で退避する方法を選択しました。
日本政府はアフガニスタンでの教訓を踏まえ、入念に注意喚起を行ってきました。今回の中東情勢でも、2026年1月中旬に米軍基地などがあるサウジアラビアやヨルダンなど湾岸6カ国でも、危険情報の「レベル1(十分注意)」を発出するなど、早期の警戒を促していました。
小泉進次郎防衛大臣の就任経緯
小泉進次郎防衛大臣は、2025年10月21日に高市早苗政権で防衛大臣に就任しました。2025年9月の自民党総裁選では決選投票まで進みましたが、高市早苗総裁に敗れました。高市総裁は総裁選で争った4人を重要ポストで起用する方針を示し、小泉氏を防衛大臣に抜擢しました。
小泉大臣の地元である神奈川県横須賀市には米海軍施設や海上自衛隊司令部があり、初当選以降、安全保障政策に関心を持ってきました。就任会見では「国民の命と平和な暮らしを守り抜くこと、我が国の領土・領海・領空を断固として守り抜くこと、そして、これらの任務にあたる隊員一人一人とその御家族を守り抜くこと」の3つの使命を掲げました。
父の小泉純一郎元首相は2004年に内閣総理大臣として人道復興支援活動のための自衛隊のイラク派遣を決断しました。小泉大臣は就任訓示で「遠いイラクの地で任務に当たる派遣隊員の安否を常に気遣い、心配する父の姿を鮮明に覚えている」と述べ、隊員の命を預かる責任の重さを強調しています。
周辺9カ国に7700人の邦人
イラン周辺の9カ国には計7700人の邦人がいます。日本政府は軍事衝突の当事国であるイラン、イスラエルに加え、カタール、バーレーン、アラブ首長国連邦(UAE)の邦人保護の取り組みを強化しています。
中東には日本企業が多く進出しています。経済産業省の2024年時点の調査ではUAEに91、イスラエルに15の現地法人があります。イランでは米国による経済制裁や情勢の悪化を背景に企業活動は低調ですが、エネルギー資源が豊富な中東全体でみれば依然活発です。
木原稔官房長官は記者会見で、自衛隊が「邦人輸送を迅速かつ的確に行うため、すでに部隊を速やかに派遣する態勢を取っている」と述べました。高市総理も「現地の邦人安全確保に万全の措置を講じるよう指示した」としており、政府全体で邦人保護に取り組む姿勢を示しています。
防衛省・自衛隊は「ここ数日の情勢の緊迫化を踏まえ、自衛隊機による邦人輸送を実施する可能性が高まっている」としてSNSに投稿し、準備を加速する方針を明らかにしました。中東地域で活動する海上自衛隊の海賊対処部隊や情報収集活動の隊員の安全確保にも万全を期すとしています。