2026-08-06 コメント投稿する ▼
デイサービス 4年連続減、コロナ禍で利用者減り経営厳しく
厚生労働省の統計によると、全国のデイサービス事業所数が4年連続で減少していることが明らかになりました。 福祉医療機構の調査によれば、特別養護老人ホームなどの施設はコロナ禍でも経営への大きな変化が見られなかった一方、デイサービスでは利用者数の減少が経営に深刻なダメージを与えていることが指摘されています。
デイサービス減少の現状
厚生労働省が発表した最新の統計データによれば、2023年度(令和5年度)末時点でのデイサービス事業所数は、全国で減少傾向が続いています。これは4年連続の減少となり、業界全体に少なからぬ影響を与えている状況です。
特に注目すべきは、事業所の規模別に見ても、通常規模(定員10人以下)および大規模(定員19人超)の事業所数がいずれも減少している点です。小規模事業所のみならず、一定の規模を持つ事業所も存続が難しくなっていることが伺えます。
コロナ禍がもたらした利用者の変化
この事業所数減少の背景には、新型コロナウイルス感染症の拡大が長引いた影響が無視できません。福祉医療機構の調査によれば、特別養護老人ホームなどの施設はコロナ禍でも経営への大きな変化が見られなかった一方、デイサービスでは利用者数の減少が経営に深刻なダメージを与えていることが指摘されています。
利用者やその家族は、感染リスクを考慮してデイサービスの利用を控える傾向が強まりました。また、高齢者自身の外出控えや、感染への不安から、通所サービスへの参加をためらうケースも増えたと考えられます。GemMedの記事でも、2025年7月時点での病院患者数がコロナ禍前と比較して減少していることが報じられており、高齢者が医療・介護サービス全般の利用を控えがちな状況がうかがえます。
こうした利用者減は、デイサービスの収入に直結し、事業継続の大きな要因となっています。
事業所存続を脅かす経営コスト
利用者数の減少による収益の悪化に加え、事業所の経営を圧迫する要因は他にも存在します。人件費の上昇や、物価高騰による消耗品、燃料費などのコスト増は、介護報酬の改定だけではカバーしきれない経営上の負担となっています。
また、介護職員の人手不足は慢性的な課題であり、事業所の運営体制を維持するための人材確保も容易ではありません。これらの複合的な要因が、特に経営基盤の弱い小規模事業所や、コロナ禍で打撃を受けた事業所の閉鎖へと追い込んでいる可能性があります。
利用者数の減少と経営コストの増加という二重苦が、デイサービス事業所の淘汰を加速させていると言えるでしょう。
支援策の効果と今後の課題
こうした状況に対し、厚生労働省も支援策を講じてきました。例えば、コロナ禍で利用者が減少した通所介護事業所などを対象に、一定の要件を満たせば介護報酬の3%加算を適用する特例措置などが2022年度も継続されました。
しかし、これらの支援策だけでは、根本的な利用者減や経営コスト増の問題を解決するには限界があるとの指摘もあります。利用者数の回復には、高齢者の生活様式や感染への意識の変化、そして地域における通所サービスの必要性に対する理解の促進が不可欠です。
今後は、単に利用者を増やすだけでなく、個々の利用者のニーズに合わせた柔軟なサービス提供や、オンラインを活用した新たなサービスモデルの導入など、事業所側も変化への適応が求められています。地域包括ケアシステムにおいて、デイサービスが果たすべき役割を再定義し、持続可能な運営体制を構築していくことが、今後の重要な課題となるでしょう。
まとめ
- 厚生労働省の統計によると、デイサービス事業所数は4年連続で減少している。
- 通常規模・大規模事業所の減少も顕著であり、業界全体の構造的な課題を示唆している。
- コロナ禍での利用者減が経営に深刻な打撃を与え、特別養護老人ホームなど他の施設形態との格差が生まれている。
- 利用者減に加え、人件費や物価高騰によるコスト増が経営を圧迫している。
- 国による報酬特例などの支援策はあるものの、根本的な解決には利用者回復やサービス提供方法の見直しが不可欠である。