2025-12-04 コメント投稿する ▼
名護市長選争点と翁長久美子氏の訴え――基地、福祉、暮らしをめぐる対決
名護市長選挙の焦点となっている最大の争点は、米軍新基地の建設をめぐる対応だ。 これに対し、翁長氏は建設中止と自然環境の保全、そして基地依存から脱却した経済政策を掲げている。 これを背景に、「基地を抱え続けるリスク」を再認識する市民の間で、基地反対と市政刷新を望む声が広がっている。 選挙は単なる政治の争いではなく、「日々の生活を守るか、基地を抱え続けるか」を問う争点にもなっている。
選挙構図:現職と「オール沖縄」対決
沖縄県名護市で、来年1月18日告示、25日投票の市長選挙が現実味を帯びてきた。現職の渡具知武豊氏(64歳、3期目を目指す)と、前市議で「オール沖縄」の推す翁長久美子氏(69歳、新人)の一騎打ちになる可能性が高い。
翁長氏は「基地依存からの脱却」「市民生活の改善」「基地によらない地域経済循環」を訴え、無党派を含む野党勢力の結集を背景に立候補を決めた。
基地問題と市政の争点
名護市長選挙の焦点となっている最大の争点は、米軍新基地の建設をめぐる対応だ。特に、普天間基地の辺野古移設に伴う新基地建設では、海域・大浦湾での軟弱地盤改良を含む土砂投入計画に対し、環境破壊や安全面で反対の声が根強い。これに対し、翁長氏は建設中止と自然環境の保全、そして基地依存から脱却した経済政策を掲げている。
実際、近年の地盤改良のくい打ち作業は数カ月にわたって停止したと報じられており、新基地計画は遅滞・不透明な状況にある。これを背景に、「基地を抱え続けるリスク」を再認識する市民の間で、基地反対と市政刷新を望む声が広がっている。
しかし、一方で現職の渡具知氏を支える勢力も根強く、基地建設推進を明言はしないものの、「新基地問題は国の政策」として扱う姿勢を維持するとみられ、基地反対世論の受け皿になるかは不透明との見方もある。
翁長氏の訴えと支援体制
翁長氏は、子育て・福祉・医療を重視する政策も打ち出している。学校給食費や保育料、子ども医療費の無料化などを掲げ、再編交付金に依存しない市政運営を目指すと表明している。これは、基地交付金頼みの従来の市政に対する明確な対案だ。
また、人口流出や若年層の流出といった沖縄特有の課題に対し、地域でのケアワーカーの処遇改善や医療体制の維持・拡充を通じて「安心して暮らせるまちづくり」を訴えている。
支援体制としては、公党の枠を超えて複数政党や市民団体が結集し、組織的支援を展開中だ。県内外からボランティアや資金の協力を呼びかける動きも見られる。
市民の危機感と住民感情の変化
新基地計画をめぐる遅延や強行を巡り、市民の間には「基地の負担を押し付けられてきた」という不満と危機感が根強い。環境破壊や健康被害、静穏な生活の阻害に対する懸念も大きく、基地容認・あるいは現状維持では自分たちの暮らしが守れないという思いが広がっているとされる。
また、経済的困難や物価高の下で、給食費無償化など生活支援政策への関心が高まっており、こうした政策を掲げる翁長氏に「新しい市政」を期待する声が増えている。選挙は単なる政治の争いではなく、「日々の生活を守るか、基地を抱え続けるか」を問う争点にもなっている。
国内政治とのリンクと意義
この名護市長選挙は、沖縄だけの問題ではない。政府による軍拡路線が進む中で、辺野古新基地の是非は日本全体の安全保障、民主主義、地方自治の在り方に照射される課題となっている。翁長氏が当選すれば、基地建設にストップをかけ、基地依存経済からの脱却を実現する地方モデルを示すことになる。平和・環境・暮らし・自治の価値を問う試金石となる選挙だ。
市民、労働者、子育て世代、基地被害を経験した住民など、さまざまな立場の声がこの選挙に向かって高まっている。名護市長選は、沖縄の未来のみならず、日本の民主主義と平和の行方をも占う重要な一戦になる。
この選挙の結果は、今後の基地政策や地方自治のあり方に大きく影響を与える可能性がある。全国から関心を集め、注視されるべき選挙だ。