2025-03-31 コメント投稿する ▼
柴愼一議員、所得税法改正案に反対討論―税制改革の不十分さを指摘
基礎控除引き上げの問題点
柴議員は、政府原案による基礎控除と給与所得控除の最低保障額引き上げについて、物価上昇による実質的な税負担増加に対応する趣旨が不明確であり、引き上げ額の根拠が消費者物価指数の動向に基づいていることから、論理的整合性に欠けると指摘。また、与党修正案で導入された年収に応じた4区分や時限措置は、基礎控除の趣旨を損ない、企業の給与計算実務やシステム改修の負担増加を招く可能性があると懸念を示した。
新たな「年収の壁」の創設
さらに、年収200万円を超えるラインを境に新たな「壁」が生じる設計について、高所得層の減税額を概ね2万円に抑えるための複雑な制度設計であり、定額減税とすべきとの意見を述べた。
税制改革の抜本的検討の必要性
附則第81条に基づく所得税の抜本的改革の検討について、政府・与党内だけでなく、国会での公開討論を求め、税制の基本原則である「公平・中立・簡素」が損なわれている現状を批判した。
物価高騰対策の不十分さ
物価高に苦しむ国民生活への税制支援が不十分であるとして、ガソリン価格の高騰対策が後手に回っていることを指摘。三党合意での暫定税率廃止の約束が守られていないと批判した。
法人課税の見直し不足
巨額の租税特別措置が効果不明のまま継続されていることや、大企業偏重の賃上げ促進税制の廃止、中小企業への実効性ある支援策の必要性を強調。価格転嫁や適正取引を促す施策、中小企業への補助金政策の導入検討を求めた。
防衛費確保のための増税に反対
規模ありきの43兆円の防衛費確保のための税制措置、特にたばこ増税を含む防衛増税に対し、強く反対の意を表明。
政治資金問題と税制改正案の評価
石破総理による商品券配布問題や政治資金規正法違反の疑惑を指摘し、政治とカネの問題で政治への信頼が揺らいでいる現状を批判。その上で、物価高に苦しむ国民生活を支援する具体策が示されていない本税制改正案に反対する立場を明確にした。
以上の理由から、柴愼一議員は本改正案に対し、明確な反対の意を表明した。