高市早苗首相「労働時間規制緩和指示撤回せず」塩村文夏議員が追及

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高市早苗首相「労働時間規制緩和指示撤回せず」塩村文夏議員が追及

塩村議員は質問で、労働時間規制緩和が“過労死を招く逆行”になる懸念を示しました。 これに対し高市首相は「過労死に至るような残業を良しとは致しません」と述べ、過労死遺族の声にも配慮する姿勢を示しました。 高市首相がこのように明言した指示の内容は、従業者の「選択」と「健康維持」を前提としながら、労働時間規制を見直すよう上野厚労相に指示を出したというものです。

高市早苗首相、労働時間規制緩和指示を「撤回せず」明言


6日、参議院本会議での代表質問で、首相に就任したばかりの 高市早苗 氏が、厚生労働大臣 上野賢一郎 氏に対して行った「労働時間規制の緩和」に関する指示を「撤回いたしません」と明言しました。
質問に立ったのは、 塩村文夏 参議院議員(立憲民主党=立憲)でした。

塩村氏の追及と首相答弁


塩村議員は質問で、労働時間規制緩和が“過労死を招く逆行”になる懸念を示しました。

「働き方改革関連法の施行から5年以上が経過した今、現場では長時間労働が依然として残っている」

とし、今回の指示が現状改善ではなく、むしろ安全網を削ぐ可能性を指摘しました。
これに対し高市首相は「過労死に至るような残業を良しとは致しません」と述べ、過労死遺族の声にも配慮する姿勢を示しました。

ただし同時に、

「残業代が減ることで生活費を稼ぐために無理な副業に走る人が出てくることも心配しています」

と述べ、緩和の背景には「働き方の実態とニーズ」の変化を考える必要があるとの立場を示しました。

指示と今後の論点


高市首相がこのように明言した指示の内容は、従業者の「選択」と「健康維持」を前提としながら、労働時間規制を見直すよう上野厚労相に指示を出したというものです。

政府側は「審議会で議論が行われている」として、実際の法律や制度変更に向けた議論を開始しており、塩村議員はその議論の透明性・納得性を問うています。

今後の焦点となる論点は次の通りです。

* 規制緩和が実質的にどのような内容になるのか(時間上限の引き上げ、例外の拡大など)
* 緩和が行われた場合、過労死など過酷労働を招くリスクとのバランスをどう取るか
* 緩和の対象や前提条件(「従業者の選択」「健康維持」が十分担保されるのか)をどう制度化するか
* 現場実態(長時間労働、複数勤務、副業など)が本当に「選択・ニーズ」に基づいているのか検証できるか

賛否の分かれ目


与党側からは「働き方改革を次の段階に進めるために柔軟性を高めることは必要だ」との声も出ています。対して、野党側からは、

「これは働き方改革の逆行だ」「過労死を事実上許容する道を開くことになる」

と厳しい批判が上がっています。

塩村議員は「命より仕事になってはいけない」「副業・兼業のリスクを軽視してはならない」

と訴えました。

また、首相答弁中には与党からの拍手とともに野党側からのヤジが飛び交い、議場の緊張感を高めました。

私見:国民の理解を得るには具体性が不可欠


この問題で明らかなのは、「労働時間規制を見直す」という言葉だけでは国民の理解を得られないということです。過労死遺族や労働者団体が懸念しているのは、制度が緩むことで安全基盤が崩れること。首相もそれを認めながら、指示を撤回しないという姿勢を示しました。

けれども、“選択”という前提の実効性、健康維持という条件の担保、監視と検証の仕組みが示されない限り、緩和は現場の負担増を招く恐れが強いです。さらに、この議論は単なる規制の緩め・硬めだけの話ではなく、 企業・団体献金など企業寄り政治の構図が労働政策に影響しうる構造的な問題とも無縁ではありません。企業が儲かれば労働者の時間が犠牲になりかねないという批判の声があることを、政権側は甘く見てはいけません。

いま、この政権が掲げている「減税優先」「財政出動の遅れ」といった方針が、労働時間緩和の議論とも接点を持ちうる状況であることも見逃せません。時間を稼ぐ副業の必要性が増す背景には、賃金が上がらず生活が苦しいという現実もあります。つまり、労働時間の規制緩和論議は、 「働き方改革」から「働かざるを得ない働き方改革」 へ形を変えるリスクを孕んでいます。

結論として、首相の「撤回しない」という宣言は強い意志を示すものである一方で、 その先にある制度変更の方向性・保障・フォローの設計が極めて重要です。国民の信頼を裏切るような実務運用になった場合、政権にとって逆風となる可能性が高いでしょう。


11月中にも、厚労省審議会で具体案の提示が予想されます。企業側・労働者側・遺族団体などがどのような反応を示すか、政局にも影響を与えそうです。特に、政党の連携が変化すれば「ドロ船連立政権」との批判を再び浴びる可能性もあります。

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2025-11-06 17:05:47(藤田)

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