2026-05-12 コメント投稿する ▼
自民党「ディープフェイク詐欺広告」に罰則法整備を提言 平将明氏が断固対応表明
生成AI(人工知能)で作られた本物そっくりの偽画像・偽動画「ディープフェイク」を悪用したSNS詐欺広告が深刻な社会問題となっている。自由民主党(自民党)のプロジェクトチームは2026年5月12日、プラットフォーム事業者への削除義務付けや罰則導入などを政府に求める提言案をまとめた。警察庁の発表では2025年のSNS型投資詐欺の被害額は1274億円を超え過去最悪を記録。提言案は来週にも政府に提出される予定で、一般市民が真偽を見分けられない深刻な現状への法的対応が急務となっている。
急増する「ディープフェイク」詐欺 被害額は過去最悪1274億円
生成AI(人工知能)を使って、本物そっくりの偽の画像や動画を作る技術を「ディープフェイク」と呼びます。
この技術を悪用したなりすまし投資詐欺が、SNS(交流サービス)上で急速に広がり、今や深刻な社会問題となっています。
警察庁の発表によると、2025年のSNS型投資詐欺の認知件数は9538件で前年比48.7%増、被害額は1274億7000万円と前年比46.3%増という過去最悪の数字を記録しました。
被害者1人あたりの被害額は約1300万円にのぼり、退職金を含む全財産を失うケースも報告されています。
有名な実業家や著名人がまるで投資を勧めているかのように見せかけた偽動画がSNS広告として流れる手口が定式化しており、著名人のアカウントになりすましてメッセージを送りつけ、さらに偽のビデオ通話で信用させてから大金をだまし取るケースも増えています。
提言案は、こうした状況を踏まえ「一般の利用者が真偽を判別することはもはや困難だ」と明記しており、法的対応の緊急性を強調しています。
「会社の先輩がなりすまし広告にだまされました。本人の顔と声なのに全部フェイク。怖くてSNSが信じられなくなった」
「退職金をほぼ全部失った知人がいます。プラットフォームが放置してきた責任は重いと思う」
「自民党がやっと動いた。罰則がなければ巨大プラットフォームは本気で動かないのが現実」
「ディープフェイクの広告、本物と見分けがつかない。一刻も早く法整備してほしい」
「台湾では罰則で効果が出ているという。日本はなぜいつも対策が後手後手になるのか」
自民党が提言案 罰則導入など5本柱で法整備を要求
自由民主党(自民)は2026年5月12日、党内のプロジェクトチームの会合を開き、政府へ提出する提言案をまとめました。
取りまとめを主導した自民党の平将明・前デジタル大臣氏は「対応を取らないプラットフォーマーは絶対許さん。今実際に目の前で被害が起きている」と、強い姿勢で臨む考えを示しました。
提言案の主な柱は5点です。第一に、広告を掲載するプラットフォーム事業者が広告主の本人確認を義務付けること。第二に、行政機関から通報を受けた場合には詐欺広告を迅速に削除する枠組みを整備すること。第三に、AIが作成した広告であることを明示させること。第四に、被害者への損害賠償の仕組みを検討すること。第五に、専用の通報サイトの設置とオンライン詐欺対策を一元的に担う司令塔機能を政府内に創設することです。
違反した事業者には罰則や行政処分を科すことも検討すべきとしており、提言案は来週にも党内手続きを経て政府に提出される予定です。
台湾事例を参考に 海外の規制に後れを取る日本
今回の提言案では、SNS事業者への罰則導入によって成果を上げた台湾の取り組みを高く評価しています。
日本では約1年前に「情報プラットフォーム対処法」が施行されましたが、生成AIの急速な進化で悪用の手口がそれを上回っており、対策が追いついていないのが実情です。
海外を見ると、欧州連合(EU)は2024年に成立した「AI法」でディープフェイクを含む生成AIコンテンツには「AIが作成した旨の明示義務」を定めています。米国でも州レベルで選挙妨害を目的とした偽動画を禁じる法律が施行されており、日本の対応の遅れが際立っています。
詐欺グループは東南アジアの拠点から組織的に運営され、膨大な広告費をプラットフォームに流し込んでいる実態があります。罰則のない現状では、プラットフォーム側が積極的に排除に動く動機が生まれにくいという問題があります。
世界経済フォーラム(WEF)も偽情報やディープフェイクを2025年の主要な国際リスクの一つに位置付けており、日本だけにとどまらない国際的な課題となっています。
罰則を伴う法整備で実効性を 被害者救済と防止の両立が急務
今回の提言案で最も注目されるのは、事業者への罰則導入を明確に打ち出した点です。
これまでの日本の規制は、事業者の自主的な対応に依存してきた面が大きく、被害が拡大しても削除対応が遅れるケースが後を絶ちませんでした。
今後は、提言を受けた政府が実際にどのような形で法整備を進めるかが問われます。法案の内容によっては、表現の自由やプラットフォームの運営自由との兼ね合いも議論になることが予想されます。
被害者の救済と新たな被害の防止という2つの課題を同時に解決するため、実効性のある法制度の早期整備が強く求められています。
まとめ
・自民党プロジェクトチームが2026年5月12日、ディープフェイク詐欺広告対策の提言案をまとめた
・平将明・前デジタル大臣氏が主導し「プラットフォームは絶対許さん」と強硬姿勢を表明
・提言の柱は①広告主の本人確認義務化 ②詐欺広告の迅速削除義務 ③AI広告の明示義務 ④被害者補償の検討 ⑤政府内に司令塔機能を創設
・違反事業者には罰則や行政処分を科すことも検討するよう求めている
・2025年のSNS型投資詐欺被害額は1274億円超(前年比46.3%増)で過去最悪
・台湾の罰則導入による成果を参考に法整備を急ぐべきとしている
・EUや米国に比べ、日本のディープフェイク規制の対応の遅れが際立っている