2025-11-01 コメント投稿する ▼
小泉防衛相、中国の領空侵犯に「懸念伝達」のみ 実力排除権なき対応の限界
2025年に入ってから、日本のEEZ(排他的経済水域)や領空での中国による違法行為は加速しています。 沖縄県・久米島沖では、2025年に入ってから中国の海洋調査船による無断調査が少なくとも3回確認されています。 日本が抗議以上の実効的措置を取らないことを見透かした中国は、むしろますます大胆に日本の主権を侵害しているのです。
「懸念伝達」では足りない 相次ぐ中国侵犯の現実
小泉進次郎防衛相は2025年11月1日、マレーシアで中国の董軍国防相と初めて会談しました。東シナ海や太平洋地域での軍事活動活発化に深刻な懸念を伝え、領空侵犯の即刻停止を強く求めたとされています。一見すると、日本政府が毅然とした対応を取っているように見えます。しかし、この会談の裏側には、日本の領土防衛体制の根本的な弱さが隠れています。実行性を欠く「懸念伝達」の繰り返しが、むしろ中国の行動を増長させているのではないでしょうか。
「また"遺憾"だけ?主権を口で守れるわけがない」
「抗議するだけなら誰でもできる。実力行使しないから侵犯が止まらない」
「中国に舐められてる日本政府。東シナ海の調査船活動が何度も繰り返されている」
「政府は本気じゃない。領空侵犯にコストを負わせる仕組みがないから中国は平気だ」
「主権を守る気があるなら、海上保安庁に強制排除の権限を与えるべき」
絶えぬ中国侵犯 抗議だけで何も変わらず
2025年に入ってから、日本のEEZ(排他的経済水域)や領空での中国による違法行為は加速しています。5月には中国海警局のヘリコプターが尖閣諸島周辺の領空を侵犯し、航空自衛隊のF15戦闘機2機が緊急発進しました。6月には中国海軍の空母「山東」から発艦したJ15戦闘機が太平洋上空で海上自衛隊のP3C哨戒機に接近。7月にもJ7戦闘爆撃機が東シナ海上空で航空自衛隊のYS11EB電子測定機に異常接近を繰り返しました。
それだけではありません。沖縄県・久米島沖では、2025年に入ってから中国の海洋調査船による無断調査が少なくとも3回確認されています。5月11日、同26日、そして10月14日です。鹿児島県・奄美大島沖では中国の調査船「向陽紅22」の活動が頻繁になり、9月28日の無断調査確認後、わずか2週間で10月11日に再び別の調査船が侵入。その間、日中中間線をまたいで24回の越境が確認されています。東シナ海の日中中間線付近では、中国による構造物の設置も相次ぎ、既に19基に達しているとも言われています。
毎回、日本政府は「外交ルートを通じて抗議した」「極めて遺憾だ」と発表します。しかし、その後、何か具体的な措置を取ったのでしょうか。答えは「ノー」です。海上保安庁が無線で中止を要求しても、中国側は応じません。日本が抗議以上の実効的措置を取らないことを見透かした中国は、むしろますます大胆に日本の主権を侵害しているのです。
外交辞令だけでは現状は変わらず 国際法の常識から乖離
小泉防衛相は会談で、自衛隊と中国軍の偶発的衝突や不測の事態回避に向け、防衛当局幹部間を直結するホットラインの確実な運用が重要だと指摘したとされています。防衛省関係者によれば、中国側からは領土主権をめぐる一方的な主張が繰り返され、ホットラインの運用を巡っても見解の違いがあったといいます。つまり、電話のルートを作っただけでは実質的な抑止にならないという現実が、この会談の中でも露呈したのです。
国連海洋法条約に照らせば、沿岸国のEEZでの海洋の科学的調査は原則として沿岸国の同意を要します。したがって、同意なき調査は明確に問題です。にもかかわらず、日本政府は「遺憾」表明と抗議の繰り返しに終始し、現場の既成事実化を許しています。外交辞令だけでは相手は政策効果を測るように行動を重ねます。日本の抗議が実効性を欠く限り、相手は「慣らし運転」のように侵入頻度を増やし、主張を既成事実化していくでしょう。
必要なのは対話ではなく、実力に基づく国防体制
他国を見てください。自国のEEZ内で無断調査を行う外国船に対して、多くの国は実力で排除しています。拿捕することもあります。それが主権国家として当然の対応です。ところが日本だけが「抗議」だけで終わらせ、中国の好き勝手を許しているのです。
政府がすべきは、実効的な対抗措置です。第一に、EEZ内での無同意調査に対する段階的な実力排除を制度化する必要があります。反復侵入に対しては、該当船舶と運航主体に入港禁止や国内取引制限などの経済的コストを課し、越境行為に明確な代償を設けることです。第二に、常設の統合監視体制を確立し、衛星・AIS・音響・航空偵察で航跡を常時把握し、日中中間線の横断回数や投入機材をリアルタイムで国民に開示すること。透明化は同盟・友好国を巻き込む圧力にもなります。
第三に、法整備の抜け穴を塞ぐことが急務です。無同意調査の手口に即した国内法の改正で、調査行為の証拠化手順から警告、退去要求、行政処分、民事的損害賠償請求、さらには刑事罰の適用可能性までを一本化し、海上保安庁や自衛隊の権限を飛躍的に強化することです。これにより、無線警告が単なる「慣行」ではなく、法的手続の第一段階として機能します。
日本政府の対応パターンは変わりません。中国の調査船や公船がEEZ内で活動する→海上保安庁が確認する→無線で中止を要求する→外務省が外交ルートを通じて抗議する→終わり。これを何年も、何十回も繰り返しています。小泉防衛相が董軍国防相との会談で示した「対話と懸念伝達」では、日本の海を守ることはできません。国民の税金で給料をもらいながら、国益を守る努力を怠っている政治家たちに、強く反省を求めます。日本の領土と領海を守るために、今すぐ実効的な措置を取るべきです。