2026-03-08 コメント投稿する ▼
元統合幕僚長・山崎氏、尖閣防衛の重要性を強調 沖縄での講演で世界の秩序維持に言及
シンポジウムでは、元統合幕僚長である山崎幸二氏が基調講演を行い、緊迫する地域情勢と日本の取るべき姿勢について、 「尖閣諸島を守るという明確な意思を示さなければ、世界の秩序はそこから崩れていく」 と述べ、強い危機感を示しました。 山崎氏は、中国による海洋進出やロシアによるウクライナ侵攻といった現実の脅威を挙げ、日本の防衛の要となる尖閣諸島への対応の重要性を説きました。
尖閣防衛の決意と日米同盟
山崎氏は、中国による海洋進出やロシアによるウクライナ侵攻といった現実の脅威を挙げ、日本の防衛の要となる尖閣諸島への対応の重要性を説きました。自身が統合幕僚長時代に、米軍関係者から 「日本は(中国兵が尖閣に上陸した場合)実力行使するのか」 と問われた経験を紹介。「私は『実力行使する』と答えた」と明かし、その理由を説明しました。もし日本が行動を起こさず、米軍も介入しなければ、日米同盟の信頼関係が損なわれ、結果として 「世界の秩序が崩れていく」 という認識を示したのです。これは、単なる領土問題ではなく、国際秩序全体に関わる問題であるとの見方を示しました。
中国の海洋進出と「力の空白」の危険性
講演では、中国の海洋進出についても具体例が示されました。南シナ海における南沙諸島の事例を挙げ、当初は軍事施設ではないとしていたものが、完成後には公然と軍事拠点となった経緯を指摘しました。山崎氏は、歴史を振り返ると、大国が影響力を失い 「権力や影響力の及ばない地域」 が生じた場所へ、新たな大国が台頭し影響力を拡大してきたパターンがあると説明。 「絶対に(力の)空白をつくってはいけない」 と強調し、日本の周辺地域における緊張感の必要性を訴えました。
核の脅威と連携する周辺国
さらに、山崎氏は核戦力に関する脅威についても言及しました。中国が核弾頭の小型化を進め、日本の主要都市を射程に収める弾道ミサイル開発能力を持つとされる現状を 「核の脅威にさらされているという認識を持つ必要がある」 と指摘。ロシアによるウクライナ侵攻では、核兵器による威嚇が西側諸国への圧力として使われたことを例に挙げ、 「戦術核の使用へのハードルが下がっている」 と警鐘を鳴らしました。加えて、中国、ロシア、北朝鮮といった周辺国の軍事的連携が強まっている状況にも触れました。ロシアのウクライナ侵攻で使われる武器の半分が北朝鮮製とも言われる現状や、北朝鮮が実戦を通じて軍事技術を高めていることは、地域の 「不安定要因がさらに増している」 と分析しました。
台湾有事と南西諸島の防衛、そして日本の役割
台湾と日本の南西諸島の地理的な近さにも焦点が当てられました。台湾と最も近い与那国島の距離が約110キロであることを挙げ、 「南西諸島の防衛体制は、日本の防衛体制そのものだ」 と指摘。万が一、台湾有事が発生し、米軍が介入した場合、日本にとっても 「存立危機事態」 に該当する可能性が高いとし、その点を明確に発信すること自体が抑止力につながると述べました。政府が2022年に改定した国家安全保障戦略などの安保関連3文書を踏まえ、 「反撃能力を含む長射程ミサイルの整備などを早期に実現する必要がある」 と主張。 「いくら強いボクサーでも守っているだけでは負けてしまう」 と例え、積極的な防衛力整備と法制度の整備が、抑止力向上に不可欠だと強調しました。講演の締めくくりとして、山崎氏は、日本は世界の安全保障における 「第一線にいるという認識を持つべきだ」 と改めて強調。「主体的な防衛体制の構築と、それを支える国民の理解が重要だ」と述べ、講演を終えました。