2026-02-26 コメント投稿する ▼
高市政権が挑む「超短期間」の予算成立:異例のスケジュールと政治的攻防の背景
与党内からも「年度内成立は難しいのではないか」という慎重論が出ていましたが、高市首相はあくまで3月末までの成立に強いこだわりを見せています。 しかし、高市首相は片山さつき財務相に対して、暫定予算の編成を「指示していない」と明言しました。 暫定予算を組むことは、政権の実行力に疑問符を付けられるリスクがあります。
今回の予算審議は、例年とは全く異なる「時間との戦い」という側面を持っています。データジャーナリストの視点から、この異例の事態の背景と、今後の政局に与える影響を詳しく解説します。
異例のスケジュールで進む2026年度予算案
通常、日本の予算編成と審議は、1月に召集される通常国会の冒頭から始まります。約2カ月間の審議を経て、3月末の年度内に成立させるのが一般的な流れです。
しかし、2026年は1月に衆議院の解散総選挙が行われたことで、予算案の審議入りが例年より約1カ月も遅れることになりました。2月下旬から審議を始めて3月末までに成立させるというのは、極めてタイトなスケジュールです。
与党内からも「年度内成立は難しいのではないか」という慎重論が出ていましたが、高市首相はあくまで3月末までの成立に強いこだわりを見せています。
高市首相が「暫定予算」を拒む理由
予算が3月末までに成立しない場合、4月以降の数カ月分の経費を賄う「暫定予算」を組むのが通例です。立憲民主党などの野党は、審議時間が足りないことを理由に、この暫定予算の編成を促しました。
しかし、高市首相は片山さつき財務相に対して、暫定予算の編成を「指示していない」と明言しました。これは、政権としての強い意志の表れです。
暫定予算を組むことは、政権の実行力に疑問符を付けられるリスクがあります。高市首相としては、発足間もない政権の安定感を示すためにも、本予算の一発成立を勝ち取りたいという政治的な狙いがあると考えられます。
野党が懸念する「審議時間の不足」
一方で、野党側は強い警戒感を示しています。国民民主党の川合孝典参院幹事長は、今回の予算案が短期間で審議できるほど単純なものなのかと問いかけました。
予算審議は、国の税金の使い道をチェックする重要なプロセスです。審議時間を短縮することは、国民に対する説明責任を果たす機会を減らすことにもつながりかねません。
野党は「十分な審議時間の確保」を盾に、政府の姿勢を厳しく追及する構えです。単に成立を急ぐだけでなく、内容の妥当性をいかに証明できるかが、高市首相に課せられた課題となります。
3月13日という「デッドライン」の正体
政権幹部が掲げる「3月13日までの衆議院通過」という目標には、憲法の規定が深く関わっています。憲法第60条には、衆議院が予算案を可決した後、参議院が30日以内に議決しない場合、衆議院の議決が国会の議決になるという「自然成立」の規定があります。
つまり、3月13日までに衆議院を通過させれば、たとえ参議院で野党が抵抗したとしても、4月12日までには自動的に予算が成立することになります。
年度をまたぐ数日間の空白は生じる可能性がありますが、3月中旬の衆院通過は、政権にとって「実質的な勝利」を確定させるための絶対的なデッドラインなのです。
今後の政局を左右する予算審議の行方
2月27日から始まる衆議院予算委員会は、高市政権にとって最初の大きな正念場となります。与党は審議を効率的に進めようとしますが、野党は徹底抗戦の構えです。
もし、強引に審議を打ち切って採決を強行すれば、世論の反発を招く恐れもあります。逆に、審議が長引いて年度内成立を逃せば、政権の求心力低下は避けられません。
高市首相がこの「超短期間」のハードルをどう乗り越えるのか。その手腕は、今後の政権運営の安定度を占う重要な試金石となるでしょう。