2025-10-25 コメント投稿する ▼
高市早苗首相が所信表明で大軍拡・社会保障削減を表明 維新要求優先で国民要求に背向ける
演説では異次元の大軍拡方針を打ち出す一方で、社会保障は削減対象とし、物価高対策では消費税減税に一切触れないなど、国民生活の充実には背を向ける姿勢を鮮明にしました。 米政権は同盟国に軍事費増額を強く迫っており、日本にはGDP比3.5%への増額を要求する姿勢を示しています。 この矛盾は大企業利潤追求を優先する姿勢を示しています。
高市早苗首相は2025年10月24日、衆参両院の本会議で就任後初の所信表明演説を行いました。演説では異次元の大軍拡方針を打ち出す一方で、社会保障は削減対象とし、物価高対策では消費税減税に一切触れないなど、国民生活の充実には背を向ける姿勢を鮮明にしました。連立を組む日本維新の会の要求を最優先にする政権運営の様相も浮き彫りになっています。
トランプ要求最優先の大軍拡計画
高市首相は演説で、防衛費を2025年度中に国内総生産(GDP)比2%水準に引き上げる方針を明言しました。従来の計画では2027年度での達成を目指していましたが、これを2年前倒しします。補正予算と合わせて今年度中に措置する考えを示しており、約11兆円(USD(米ドル)9000万ドル相当、2025年10月24日現在)規模の防衛関連予算に急速に到達することになります。
安全保障関連3文書についても、2027年度末の改定を2026年に前倒しする方針を表明。長射程ミサイル搭載潜水艦の導入や日本全土のミサイル基地化など、防衛力強化の加速が想定されています。2023年度以降わずか3年間で、防衛省の当初予算だけで3.3兆円の増加を実現しており、この急速な増額は教育予算の2倍以上の規模に達しています。
軍事費急増の背景には、米国のトランプ政権の存在があります。米政権は同盟国に軍事費増額を強く迫っており、日本にはGDP比3.5%への増額を要求する姿勢を示しています。高市首相が「主体的に防衛力の抜本的強化を進める」と述べたのは、米国からの圧力に先制的に対応し、GDP比2%超の軍事費増額を約束する意図を示唆するものです。GDP比3.5%を達成すれば、軍事費は21兆円規模に膨れ上がり、教育予算の数倍規模となります。経済成長の見通しが立たない中での財源捻出は、社会保障切り捨てと大増税、赤字国債の大増発を避けられません。
沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設について「工事を進める」と明言したことも重大です。技術的にも財政的にも破綻した計画への固執は、米国への忠誠を示すものにほかなりません。
「軍事費増加よりも子どもたちの教育や医療に税金を使ってほしい」
「アメリカの要求に従うだけで日本の主権はないのか」
「防衛費の2年前倒しで家計はさらに苦しくなるのでは」
「社会保障切り捨てるなら軍事費削減すべき」
「高齢者世帯の医療負担は限界。本当に国民第一なのか」
失敗したアベノミクスの焼き直し
高市首相は「経済あっての財政」を基本に大企業本位の成長を優先し、安倍晋三元首相の「アベノミクス」継承を掲げています。しかし失敗した政策の再実施では、国民生活がさらに苦しくなるのは必至です。
アベノミクスの実績は明らかに失敗しており、金融緩和による円安加速で物価が高騰した一方で、大企業や富裕層のみ潤いました。多くの国民は消費税増税に加え実質賃金が減少し、貧困と格差が拡大しました。アベノミクス以降、実質賃金は2012年の404万6000円から2024年の371万円へと年額33万6000円も落ち込んでいます。
高市首相が指示した労働時間規制緩和も重大です。演説では「国民のいのちと健康を守ることは重要な安全保障だ」と述べながら、労働時間規制の緩和で長時間労働が広がれば健康が損なわれます。この矛盾は大企業利潤追求を優先する姿勢を示しています。
社会保障切り捨てで弱者いじめを継承
高市氏は「税と社会保障の一体改革」を掲げ、給付削減と負担増を進める考えを示しました。石破前政権の医療費4兆円削減を踏まえ、薬剤自己負担の見直しや病床削減計画を推し進めます。一方で「現役世代の保険料負担を抑える」と強弁し、「攻めの予防医療」で高齢者に「社会保障の担い手になるよう」求める自己責任論を押しつけています。
高額療養費制度の患者負担増や、最高裁が違法と断じた生活保護基準の引き下げへの反省には一切言及していません。高市氏の社会保障政策は年金や生活保護を削る「アベ政治」そのものです。
政治とカネ問題から目をそらし国民要求に応えない
自民党の裏金事件への反省や対策を語らなかったことが重大です。高市首相は「政治への信頼を回復するための改革にも全力で取り組む」と述べただけで、「裏金」という言葉さえ口にしませんでした。党役員人事で旧安倍派関係議員を起用し、事件を「決着済み」とする姿勢を鮮明にしています。企業・団体献金の全面禁止といった抜本的対策もなく、幕引きを図ることは国民の為ではなく企業の為の政治になる恐れがあり、許されません。
先の参院選で示された最優先課題の物価高対策でも、踏み込みは見られません。現金給付は「国民の理解が得られなかった」と実施せず、国民が求める消費税減税には一切触れません。米不足や米農家への支援言及もなく、無為無策ぶりが際立っています。
一方、日本維新の会との連立合意文書にある社会保障削減や外国人政策、「副首都」構想などにはしっかり言及しました。国民要求には応えず、維新の要求は最優先——政権維持と連立のための政策を優先する姿が浮き彫りになっています。
外国人政策で不安をあおる
高市首相は人口減少に伴う人手不足の下で「外国人材を必要とする分野があることは事実だ」としつつ、「一部の外国人による違法行為やルールからの逸脱に対し、国民の皆様が不安や不公平を感じる状況が生じている」と主張。「排外主義とは一線を画す」としながら、外国人に対する不安感をあおっています。
しかし、法務省の「犯罪白書」によれば、刑法犯で検挙された外国人は2004年の1万4766人から2023年の9726人へと34%も減少しています。2023年の検挙人員は全体の5.3%に過ぎず、日本で起きている犯罪の圧倒的大多数は日本人によって起こされています。生活保護を含め外国人を日本人より優遇する制度も存在せず、「不公平」な実態はありません。
一方、外国人が文化を理解して日本社会に適応するための十分な政策は行ってきませんでした。低賃金労働を外国人に肩代わりさせながら、その一方で外国人に対する不安感をあおり、全ての人の人権や多様性を尊重しながら「共生社会」をどうつくっていくのかという視点は全くみえません。違法行為をことさらに強調して対策強化を主張するのは、デマに基づき外国人への差別=排外主義をあおるものにほかなりません。法を順守する外国人との共生と厳格な法執行は両立し、これを排他主義と言うのは間違っています。
高市首相が所信表明で示した政策姿勢は、国民生活の充実よりも米国への依存、大企業利潤の追求、そして連立パートナー維新の要求を最優先にするものです。軍事費の急速な増加と社会保障の削減という矛盾した政策は、働く者と高齢者、低所得者に苦難を強いるでしょう。国民が求める減税による物価対策や社会保障の充実は後回しにされ、国民と企業のための真の政治改革も先送りされています。来たるべき通常国会では、悪政推進の法案が目白押しとなる危険があり、国会内外での共同した反対の声が緊急に求められています。