2025-06-16 コメント投稿する ▼
公約万博ネパール館が工事再開 未払い問題決着も問われる“国家館”の信頼と責任
唯一未開館だったネパール館がついに工事再開
2025年大阪・関西万博で、唯一オープンできていなかった海外パビリオン「ネパール館」が、6月16日からようやく工事を再開した。日本国際博覧会協会によれば、内装工事に着手し、月内の開館を目指しているという。
再開の背景には、長らく停滞していた“金銭トラブル”の決着がある。ネパール政府と建設業者の間で問題となっていた工事費の未払いについて、協会側は「ネパール側から、支払い問題が解決したと説明を受けた」と明かしており、ようやく現場が動き出した形だ。
ただ、開幕から2カ月以上が経過してからの再始動という事態は、万博の国際的な顔としてのパビリオンの信頼性を揺るがす事例となった。万博に関わる関係者の間では「ようやく動いたか」と安堵する声がある一方で、各国館のガバナンスや資金調達体制の在り方を再考するきっかけともなっている。
「結局、金が払われるまで止まってただけって…。国際イベントとしては残念」
ナショナルデーも延期に “信用失墜”からの巻き返しなるか
本来であれば、5月31日に予定されていたネパールのナショナルデー(自国を祝う公式日)も、工事中断の影響で見送られた。各国が文化や伝統を紹介する重要な機会であるナショナルデーの中止は、他国に比べても極めて異例なケースだ。
万博は“国家のショーケース”とも称され、各国が技術・文化・外交のプレゼンスを競い合う場である。にもかかわらず、ネパール館の工事停滞は「見せたいもの以前に、見せる準備ができていない」ことを露呈する結果となった。
今後、ナショナルデーは再設定の上で実施される予定だが、万博を訪れる来場者からの信頼をどこまで回復できるかは未知数だ。開館が6月末にずれ込んだことで、万博開催期間の約半分を“空白”で過ごしたことになり、結果として国家イメージの毀損は避けられない。
「ナショナルデー見たかったのに延期って…残念すぎる」
「開幕に間に合わないって、それもう失格だろ」
協会側は“理解”の姿勢も 構造的な問題は残されたまま
日本国際博覧会協会の高科淳副事務総長は、今回の工事再開に対して「歓迎する」としながらも、ネパール側から事前の情報共有が不十分だったことや、資金管理体制に不透明さがあった点は否めないと示唆している。
特に、海外パビリオンにおいては各国が自国予算で設計・施工・運営を行う形を取っているため、主催国としての日本が直接関与できる範囲は限られている。そのため、今回のように「建設資金の拠出が滞った途端、現場がストップする」というリスクは制度上排除できない。
これまでにも一部の国では、資材調達の遅れや労働者確保の困難さから、開幕ギリギリまで工事が続くケースがあった。だが、ネパール館のように開幕後もまったく手がつかない状態が続いたのは極めて異例。今後、同様の事態を未然に防ぐためには、より強固な事前審査や資金の事前預託など、制度設計の見直しが求められる。
「出展するって決めたなら最後までやりきってほしい。それが“国家”としての責任でしょ」
“間に合った”では不十分 万博の信頼回復へ課題は山積
今回のネパール館の騒動は、大阪・関西万博の全体像においても負の印象を残した。ようやく工事が再開されたとはいえ、「開幕に間に合わなかった」という事実は消えない。そして、このような事態が今後も続くようであれば、万博全体の信用にもかかわってくる。
そもそも、大阪・関西万博は開催前から会場建設費の高騰や遅延、地元住民の理解不足など、課題が山積していた。今回のネパール館の工事中断は、その「象徴的なトラブル」として多くの市民の記憶に残るだろう。
「6月中に開館する」とするネパール側の見通しが実現しても、開催期間中の運営や展示内容の質が問われることになる。国家パビリオンとは単なる建築物ではなく、その国の文化、信頼、外交姿勢すら反映する重要な存在である。開館が“間に合った”というレベルではなく、「参加国としての責任を果たしたか」が問われるべきだ。
「間に合ったからいいじゃん、じゃない。最初から信頼に傷ついた」
この投稿は吉村洋文の公約「2025年大阪・関西万博の成功と大阪府と大阪市の連携強化」に関連する活動情報です。この公約は10点の得点で、公約偏差値35.2、達成率は0%と評価されています。