2025-04-19 コメント投稿する ▼
維新の「食料品消費税ゼロ」案に矛盾の声
維新が主張する「食料品の消費税ゼロ」案に疑問 過去の行動と整合性欠くとの声も
日本維新の会副代表である吉村洋文・大阪府知事は、X(旧Twitter)で物価高対策として「2年間、食料品の消費税をゼロにするべきだ」とする持論を展開した。経済評論家の岸博幸氏の発言「どっちもバラマキだが、現金給付はダメ。食料品の消費税を“ゼロ”が効果的」との見解に同調し、維新としての政策方針を強調したものだ。
吉村氏はポストで次のように述べた。
「物価高で最も困るのは日常の食料品。所得が少ない人ほど影響が大きい。だから2年間、食料品の消費税をゼロに」
これに対し、SNSや政治関係者の間では「耳障りの良い政策に聞こえるが、実際に維新が過去に取ってきたスタンスと整合しない」といった冷ややかな視線も向けられている。
ガソリン税・103万円の壁の「撤廃潰し」から見える矛盾
例えば、維新はかつて「ガソリン税の暫定税率撤廃」や「103万円の壁」の解消を巡る国会議論で、他党の減税案に同調せず、むしろ潰す側に回ったという指摘がある。特にガソリン価格が高騰した局面で、日本自動車連盟(JAF)などが「暫定税率はすでに存在意義を失っている」として早期撤廃を強く求めた際にも、維新は消極姿勢を貫いた。
また、「103万円の壁」の廃止についても、維新が実効性ある改革案を示すことなく議論を停滞させたとの批判は根強い。
こうした経緯を知る有権者にとって、「食料品の消費税ゼロ」といった政策は、選挙前のパフォーマンスや人気取りと受け止められても仕方がない。減税という手法は、当然ながら税収減に直結する。維新はこれまで、財政健全化や支出削減を掲げてきた立場であり、いきなりの減税方針転換には整合性が求められる。
実現性と持続性にも課題
加えて、消費税ゼロという政策には制度設計の困難さもある。現在、食料品には軽減税率が適用されており8%で課税されているが、「ゼロ」にするとなれば、対象品目の範囲や税務処理、事業者の対応など大きな負担が生じる。短期の人気政策としては響くが、持続可能性には疑問が残る。
政策の一貫性こそ、政党の信頼
経済的に困窮する層に対し、政府が何らかの支援を行う必要があることは否定できない。しかし、政策には一貫性と信頼が求められる。給付か減税かという議論を超えて、どの層にどのように支援を届けるか、そしてその裏付けとしてどのような財源をどう確保するのか。政党が過去にどのような選択をしてきたかを見直すことなしに、場当たり的な減税を訴えても説得力は乏しい。
維新が本当に減税に舵を切るのであれば、まずは自らが否定してきた「ガソリン税の見直し」や「103万円の壁の廃止」といった改革にも一貫して取り組む姿勢を示すべきだという声が広がっている。