2025-04-14 コメント投稿する ▼
5時間待ちの万博初日 通信障害とスタッフ対応に高齢者怒り「最低の万博」
午前9時半から午後2時半頃にかけて、会場周辺ではスマホの通信が断続的に不安定となり、QRコードの表示ができない来場者がゲートで足止めされた。中には5時間以上もゲート前で待たされる人たちもおり、東ゲートでは混乱が続いた。
「こんないい加減な運営、聞いたことがないですよ」
取材にそう語ったのは、東京から75歳の夫とともに来場した70歳の女性だ。息子に取ってもらったチケットのQRコードが通信障害のせいで表示されず、午前9時の入場予定にもかかわらず、午後2時を過ぎても会場には入れなかったという。
「Wi-Fiもつながらないし、スタッフに聞けば『こちらの責任ではありません』『詳しい人にやってもらってください』って突き放される。それなら最初から紙で渡せばいいじゃないですか」
女性は、館内のパビリオン予約時間も過ぎてしまい、せっかくの予定が台無しになったと肩を落とす。雨の中、ずぶ濡れで立ち尽くす姿に、周囲の来場者からも同情の声が上がっていた。
高齢者排除では? 現場で飛び交う不満
「高齢者専用の案内窓口があってもいいじゃないですか。スマホに慣れてないお年寄りだって来るんですから」
女性の抗議に対し、スタッフが「入れないのはみなさん一緒です。あなた一人だけ特別扱いはできません」と声を荒らげる場面も。ゲート前は混雑し、雨宿りする人と列に並ぶ人が入り交じっていた。
後手に回る対応、運営側にも課題
会場を運営する日本国際博覧会協会は、急遽Wi-Fi設備の増強に着手し、事前にQRコードを印刷するよう呼びかけている。ただし、事前告知の不十分さや、紙のチケット対応が用意されていなかった点については、改善を求める声が多い。
また、会場内ではデザイン性を重視したトイレが一部使用不能となり、利用状況を示すランプが作動せず長蛇の列ができるなど、インフラ面でも問題が浮上した。
信頼回復なるか 万博は試練の船出
「高齢者はお呼びじゃないってことなのか」。そんな皮肉が飛び交う中、期待されていた華やかな開幕は一転、混乱と不満が色濃く残るスタートとなった。開幕からつまずいた万博運営は、今後どこまで信頼を取り戻せるのか、試されている。