2026-03-09 コメント投稿する ▼
大阪維新の会、亀裂深まる 都構想巡り内部対立が激化
事の発端は、大阪維新の会の創設者であり、現在は政界を引退している松井一郎氏と、法定協議会の早期設置に慎重な姿勢を示す市議団との会食でした。 この松井氏と市議団の会合に対し、法定協議会の早期設置を推進する大阪維新の会・府議団は強く反発しました。
松井氏の「介入」が波紋を呼ぶ
事の発端は、大阪維新の会の創設者であり、現在は政界を引退している松井一郎氏と、法定協議会の早期設置に慎重な姿勢を示す市議団との会食でした。4月上旬、松井氏が長年通う大阪市内の居酒屋で、約20人の維新市議が松井氏と意見を交わしました。会合に参加した市議によると、これは松井氏への「相談会」のような雰囲気で、市議団は「都構想に反対しているわけではなく、進め方に筋を通したいだけ」との考えを伝えました。松井氏は、彼らの意見表明や行動を「言いたいことは言えばいい」「行動を起こすのは当然だ」と後押しするようなアドバイスをしたとされています。市議団は、2023年の統一地方選挙で都構想を公約に掲げていなかったことを理由に、市民との対話集会などを経て態度を決める方針ですが、一部からは後ろ向きだとの批判も出ていました。
府議団の反発と「院政」批判
この松井氏と市議団の会合に対し、法定協議会の早期設置を推進する大阪維新の会・府議団は強く反発しました。政界を引退した松井氏が、依然として党内に影響力を行使しているかのように見える状況に、府議団の一部からは「松井氏による『院政』ではないか」との批判の声が上がっています。ベテラン議員は「市議団が松井氏を利用している」と問題視する意見も聞かれます。府議団としては、松井氏の意向によって法定協議会の設置が遅れることへの懸念や、党内の意思決定プロセスへの不満がくすぶっています。
吉村知事と松井氏の関係に生じた溝
かつて、2020年の2回目の都構想住民投票で、松井氏(当時市長)と吉村氏(当時知事)は推進派の「中心的な存在」として、二人三脚で運動を進めていました。しかし、現在は両者の関係に明らかな溝が生じています。吉村知事は、昨年末頃から松井氏に都構想などについて相談してきたものの、「考え方が一致しない部分が出てきた」と明かしています。現在では直接のやり取りがほとんどなく、関係は冷え切っている状況のようです。かつての盟友関係にあった二人の間に横たわる意見の相違は、大阪維新の会全体の結束力にも影響を与えかねません。
法定協設置、府市の対応が割れる
法定協議会の設置議案をいつ提出するか、という点が現在の焦点となっています。大阪維新の会・大阪市長である横山英幸氏は、市議団の意向にも配慮し、今議会への提出を見送ることを表明しました。「丁寧に意見交換を重ねる」という姿勢を崩しませんでしたが、市議団との調整を優先した形です。一方、大阪維新の会代表でもある吉村洋文知事は、これとは対照的に、府議団からの要望も踏まえ、9日の府議会に議案を提出する方針を固めました。知事と府議団には、都構想への挑戦を掲げて実施した知事・市長のダブル選挙から任期が迫っている(来年4月まで)こともあり、手続きを進めなければ「公約違反」と問われかねないという強い危機感があります。
今後の展開は?
法定協議会設置議案の提出を巡り、府と市の対応が割れるという異例の事態となりました。引退した松井氏が「市会の意見を問答無用で押し切れば組織内の信頼関係は崩壊する」とSNSで釘を刺す中、吉村知事がどのような判断を下すのか、注目が集まっています。トップダウンで構想を進めたい吉村知事と、慎重な手続きを求める市議団、そして党内に影響力を残す松井氏。それぞれの思惑が交錯する中で、大阪維新の会は一枚岩となれるのか、その動向が注視されます。