2025-10-20 コメント: 2件 ▼
副首都構想で消費税3%増?日本維新の会の大阪型構想に財源疑問
物価高・国民負担の軽減が最優先課題とされる状況下で、構想の財源と「減税優先」の矛盾が浮き彫りになっています。 しかし、維新が副首都構想という巨額財源を要する政策を掲げる以上、減税を蔑ろにして財源を構想に振る舞う姿勢には矛盾が生じます。 結論として、日本維新の会が副首都構想を掲げるのは理解できますが、「減税優先」を掲げる立場であるならば、財源の見通しが甘い構想に突っ走るのは誤りです。
副首都構想で生じる税負担と減税との矛盾
自民党(自由民主党、略称:自民)と日本維新の会(維新)による連立政権が現実味を帯びる中、維新が掲げる「副首都構想」が再び注目を集めています。市場でも関西地盤の企業株に買われる動きがありながら、構想実施には単年度で約7.5兆円(消費税率3%分に相当)規模の財源が必要との指摘もあります。物価高・国民負担の軽減が最優先課題とされる状況下で、構想の財源と「減税優先」の矛盾が浮き彫りになっています。
構想内容と財源試算
維新が掲げる副首都構想は、東京一極集中の是正、災害時の首都機能代替、別経済圏の形成などを目的とし、具体的には国からの税源移譲や中央省庁・国会の一部移転といった特例措置を含みます。構想のコストについては、同党が明確な数字を示しておらず、過去の国会機能移転試算が4兆円から7.5兆円の範囲であると報告されています。この7.5兆円という数字は、日本の消費税率10%を前提に考えれば約3%分の税収増に相当する規模です。つまり「消費税を3%上げるか、同等の税収増を別枠で捻出する」程度の財源が最低限必要という計算です。
減税を掲げるべき政党がなぜ増税級の構想を?
物価高・生活コスト上昇が国民の痛みとなっている現状で、政権を担う政党は「減税優先・給付金ではなく減税」という民意を受け止めるべきです(参議院選で示された民意は減税が優先という見方もあります)。しかし、維新が副首都構想という巨額財源を要する政策を掲げる以上、減税を蔑ろにして財源を構想に振る舞う姿勢には矛盾が生じます。例えば、構想に伴う財源確保を消費税増税に頼るなら、減税を求める国民の意向と裏腹です。
また、構想の「関西中心・地域偏重」のカラーも問題です。副首都構想が有利になる地域と、そうでない地域に明確に分かれる可能性があり、全国民への公平感を担保できるか疑問です。全国で支持を得るには、減税を掲げるなら尚更、「全国の国民にメリットがある」ことを示す必要があります。
政策優先と費用対効果の検証が必須
構想自体は議論の価値があるものですが、現時点では「巨額財源を要する大規模構想」、かつ「減税優先という流れと真逆」という構図です。政権与党とされる自民・維新連立体制にあって、物価高対応や国民負担軽減が喫緊の課題である以上、まず優先されるべきは減税や生活支援です。副首都構想はそれらを後回しにして実行されるべきものではありません。
さらに、構想の実行に当たっては「費用対効果」「財源の明示」「全国的理解」「順位付け」という四つの検証軸が不可欠です。財源が明確でなければ、増税・借金・地方交付税の削減など国民負担につながる恐れがあります。また、政策の順位が低く、減税支援を後回しにするのであれば、減税を訴える政党としての信頼性も損なわれるでしょう。
結論:維新も自民も慎重に判断を
結論として、日本維新の会が副首都構想を掲げるのは理解できますが、「減税優先」を掲げる立場であるならば、財源の見通しが甘い構想に突っ走るのは誤りです。むしろ、今は国民負担を軽くするために、減税を実現しつつ、将来的な構想については段階的に検証していくべきです。さらに、もし構想を推進するのであれば、企業・団体献金を通じた地域利権型政治にならないよう、国のため・国民のための政治かどうかを自らに問い直すべきです。そして、構想の議論においては、減税・物価高対応を前提に据えた上で、副首都構想=選択肢の一つとして全国展開可能かどうかが検証されねばなりません。