2025-12-11 コメント投稿する ▼
稲田朋美氏が平口洋法相に激怒「今のでは駄目」再審法改正で身内批判
稲田朋美元防衛大臣は2025年12月11日の衆議院法務委員会で、平口洋法務大臣の答弁に対して「今のでは駄目なんですよ」と厳しく批判しました。 鈴木氏は高市早苗首相が11月7日の衆議院予算委員会で「法相に対し、再審制度の見直しについて必要な検討を行うように指示した」と述べたことを受け、平口氏が法制審議会に具体的な指示を出したかを質しました。
自民・稲田朋美氏が平口法相の再審法答弁に激怒、鈴木宗男氏に続き身内から厳しい批判
自民党内で再審法改正を巡って波紋が広がっています。稲田朋美元防衛大臣は2025年12月11日の衆議院法務委員会で、平口洋法務大臣の答弁に対して「今のでは駄目なんですよ」と厳しく批判しました。同党の鈴木宗男参議院議員に続き、身内からの苦言が相次いでいます。
稲田氏は冤罪被害者救済の象徴的事件となった福井中学3年生殺害事件での前川彰司さんの再審無罪判決を挙げ、検察が重要な証拠開示を長期間拒んだことを問題視しました。この事件では、前川さんが最初に再審請求を行ってから無罪確定まで実に19年もの歳月を要し、現行制度の深刻な欠陥が浮き彫りになりました。
法制審議会より超党派議連案を優先すべきと主張
稲田氏は法制審議会での改正議論ではなく、再審請求審での広範な証拠開示義務化を盛り込んだ超党派議員連盟案に沿った改正を行うべきだと平口氏に強く求めました。超党派議員連盟は既に証拠開示の原則義務付けや、再審開始決定に対する検察の不服申立て禁止などを含む刑事訴訟法改正案を作成しており、現在388人の国会議員が参加する大規模な組織となっています。
これに対し平口氏は「再審制度が適切に機能することは大変重要。引き続き法制審で十分な検討が行われ、できる限り早期に答申がいただけるよう力を尽くすとともに、議論の結果を踏まえて適切に対応する」との従来の答弁を繰り返しました。
「福井事件を見れば再審法の問題は明らか。これ以上何を検討するのか」
「役所の答弁じゃなくて政治家としての判断を示すべき」
「袴田さんも前川さんも高齢。時間がないのに悠長すぎる」
「検察の証拠隠しを防ぐためにもルール化は急務だと思う」
「法制審の議論を見守るって、結局何もしないってことでしょ」
鈴木宗男氏も「役所の答弁」と批判
今回の稲田氏の発言は、12月2日に同じく平口氏の答弁を批判した鈴木宗男参議院議員に続くものです。鈴木氏は参議院法務委員会で「その答弁は役所に言われた通りの答弁だ。国務大臣としての答弁じゃない。きちっと頭作りしてほしい」と厳しく指摘していました。
鈴木氏は高市早苗首相が11月7日の衆議院予算委員会で「法相に対し、再審制度の見直しについて必要な検討を行うように指示した」と述べたことを受け、平口氏が法制審議会に具体的な指示を出したかを質しました。しかし平口氏は「法制審に伝わっているという認識だが、私自身が明示的に指示したことはない」と曖昧な回答に終始しました。
福井事件が示す現行制度の限界
稲田氏が立法事実として挙げた福井中学3年生殺害事件は、再審制度の問題点を象徴する事件です。1986年に発生したこの事件で、前川彰司さんは約1年後に逮捕され、一審では無罪でしたが控訴審で逆転有罪となり懲役7年の刑が確定しました。
2025年7月18日の再審無罪判決では、名古屋高等裁判所金沢支部が「捜査に行き詰まった捜査機関による誘導などの不当な働きかけで、うその供述に沿う他の知人らの供述が形成された疑いが払拭できない」と厳しく判断しました。決め手となったのは再審請求審で検察が新たに開示した証拠でしたが、この重要証拠の開示まで19年もの歳月を要した事実は、現行制度の深刻な欠陥を示しています。
高市政権の対応にも注目
今回の身内批判は、高市政権の再審法改正への姿勢にも影響を与える可能性があります。高市首相は11月に再審制度見直しの検討指示を表明していますが、具体的な改正案や時期については明言を避けています。
超党派議員連盟は2025年6月に野党6党による改正法案を提出していますが、自民党、公明党、日本維新の会は参加していません。自民党内には法制審議会の議論を見守るべきだとする慎重論が根強く、党内手続きが進まない状況が続いています。
稲田氏と鈴木氏による相次ぐ批判は、自民党内でも再審法改正への機運が高まっていることを示しており、今後の政府・与党の対応が注目されます。