2025-09-21 コメント投稿する ▼
日本維新の会「除名」は温情措置か 新党結成と助成金が政界再編の焦点に
政治学者の島田洋一氏は「除名は厳しく聞こえるが、無所属として身分を保持できる」と指摘しています。 さらに国会法に基づき、無所属議員が5人以上集まれば「新党」として届け出が可能です。 無所属5人で新党を立ち上げれば、この助成金を受け取れるようになります。 これは「政党の票で当選した議席を他党に持ち込むのは不適切」という考えに基づいています。
日本維新の会における「除名」と議員身分の行方
日本維新の会で議員処分の可能性が取り沙汰されるなか、「除名」という言葉は一見すると厳罰のように響きます。しかし実態は議員としての身分を失うものではなく、活動の自由度を増す「温情措置」とも言えます。政治学者の島田洋一氏は「除名は厳しく聞こえるが、無所属として身分を保持できる」と指摘しています。
無所属となった議員は憲法上の議席を維持できます。さらに国会法に基づき、無所属議員が5人以上集まれば「新党」として届け出が可能です。政党助成法に従い、新党は助成金を受け取ることができ、その資金を「持参金」として次の選挙で他党への合流や公認交渉に活用できるのです。
「除名は厳しいように見えて議員の身分は守られる」
「無所属5人で新党を立ち上げられる」
「政党助成金を得て選挙での持参金になる」
「比例代表議員も新党なら移籍可能」
「離党届を受理せず飼い殺しの方が厳しい場合もある」
「新党」設立と政党助成金の仕組み
政党助成金制度は、国会議員5人以上または得票率2%以上の政治団体を政党と認定し、年間数百億円を分配します。無所属5人で新党を立ち上げれば、この助成金を受け取れるようになります。島田氏は「これを資金として、参政党や国民民主党、自民党に合流するシナリオもある」と述べています。つまり「除名=孤立」ではなく、「再編の起点」となり得るのです。
比例当選議員と「新党」の抜け道
比例代表で当選した議員は、選挙制度上の趣旨から既存の他党へ移籍できません。これは「政党の票で当選した議席を他党に持ち込むのは不適切」という考えに基づいています。しかし現行法では、選挙後に設立された新党であれば移籍可能です。この抜け道が、比例議員にとっても再編の選択肢を広げています。
「除名」よりも重い制裁の可能性
島田氏が指摘するもう一つの論点は「離党届の不受理」です。党が離党を認めなければ、議員は党籍を残したまま党の活動から排除され、発言や役割を制限されます。これは事実上の「飼い殺し」であり、除名よりも厳しい処分になる場合があります。
今後の展望と政界再編
日本維新の会の内部処分は、単に党内規律の問題にとどまらず、政党再編の引き金となる可能性を含んでいます。無所属議員が結集し新党を立ち上げる、あるいは他党と合流するなどのシナリオは現行制度で十分可能です。
除名処分が持つ意味は「追放」ではなく「再出発の余地」を与えるものでもあります。むしろ厳しいのは「離党を認めないまま辞職を迫る」という形での締め付けです。今後、維新がどのような処分を選ぶかは、党の将来像だけでなく、政界全体の再編の行方にも影響を及ぼすでしょう。