2025-06-20 コメント: 1件 ▼
須藤元気氏のワクチン発言、背景に同級生の死 国民民主が擁立姿勢を説明
国民民主・須藤元気氏、ワクチン発言の背景とは 党方針とのズレに榛葉幹事長が説明
参院選の比例代表候補として国民民主党が擁立予定の須藤元気元参院議員(47)をめぐり、過去に発信したワクチンに関する懐疑的な投稿が再び注目を集めている。須藤氏は2023年11月、自身のSNSで「もういい加減ワクチン接種を進め続ける理由はないでしょ」と投稿。この発言は、党が取ってきたワクチン推進の立場と明らかに異なっていた。
これに対し、党内外から「党の方針と一致しない候補者を比例代表に擁立するのは問題ではないか」といった声が上がった。ネット上でも「須藤氏のような人物を公認するなら、党の方針が揺らぐのでは?」と疑問視する意見が相次いだ。
背景に「同級生の死」 榛葉幹事長が経緯を説明
こうした波紋に対し、国民民主党の榛葉賀津也幹事長は6月20日の定例記者会見で、須藤氏の発言に至る「個人的な背景」があったことを明らかにした。
榛葉氏は「須藤さんの高校の同級生が、コロナワクチン接種後に亡くなったという出来事があったようです」と説明。その上で「彼なりに、友人を失った痛みや疑問を持ちながら発言したものだと受け止めている」と語り、単なる陰謀論的な立場ではなく、個人的な体験が影響していたことを強調した。
「ワクチンの話って、結局誰かの体験に引っ張られる部分もあるよね」
「言いたいことはわかるけど、政治家なら冷静さは必要だと思う」
「友人の死をきっかけに発言したなら、なおさら丁寧な説明が要る」
「須藤氏の過去発言を責めるより、なぜ党が擁立したのかが気になる」
「国民民主がますますブレて見える。減税以外も中途半端に感じる」
党内での対話と“腹落ち”の過程
会見ではさらに、須藤氏が党幹部や医師でもある福田徹衆院議員、玉木雄一郎代表らと繰り返し対話を重ねたことも紹介された。榛葉幹事長は「誤解を生んだ発言についてはご本人も反省されており、専門家の意見を素直に学ぶ姿勢を見せている」と述べた。
また、「須藤さんは友人を思う“情”の部分と、公衆衛生政策としてのワクチンの重要性という“理”の部分の両方を受け止め、政策的にも腹落ちされていると思う」と発言。党としても、今後須藤氏本人が適切な形で情報発信し、過去の発言と現在の立場の違いについて説明する機会を設ける意向を示した。
候補者の発言と政党の責任 有権者の信頼回復なるか
政治家としての資質は、過去の発言をどのように説明し、どう修正していくかによって大きく左右される。今回の須藤氏のケースは、個人的経験に基づいた発言と、政党の公式政策との整合性をどう取るかという点で、国民民主党にとっても試金石となる。
国民民主党は「給付金頼みではなく、減税による可処分所得の向上」を掲げて一定の支持を集めてきたが、ワクチン政策など生命・健康にかかわるテーマでは政策の一貫性と信頼性が問われる。今後、須藤氏がどのような形で説明責任を果たすのか、その姿勢と内容次第では、党全体への評価にも影響を与える可能性がある。
7月の参院選を前に、有権者がどのような価値観で候補者を選ぶのか。個人の経験と公的な政策判断のバランスが、これまで以上に厳しく見られる時代に入ったことは間違いない。