2026-02-26 コメント: 1件 ▼
期日前投票の本人確認はどうあるべきか?マイナカード義務化を巡る議論の行方
林大臣は「マイナンバーカードや運転免許証を持っていない有権者の投票を拒否できるのか」という問いを投げかけました。 しかし、最初から身分証の提示を義務付けるべきではないかという意見が、一部の政治グループから出されています。 もし、投票にマイナンバーカードなどの提示を必須とした場合、カードを持たない有権者が投票所から追い返される事態になりかねません。
期日前投票の本人確認に一石を投じる
2026年2月26日、参議院本会議において、日本の選挙制度の根幹に関わる重要な議論が行われました。林芳正総務大臣は、期日前投票における本人確認のあり方について、大きな問題提起を行いました。
現在、日本の選挙では、投票所入場券がなくても、氏名や住所を宣誓書に記入することで投票が可能です。しかし、林大臣は「マイナンバーカードや運転免許証を持っていない有権者の投票を拒否できるのか」という問いを投げかけました。これは、今後の選挙のあり方を左右する極めて重要な視点です。
なぜ今、本人確認の厳格化が議論されているのか
この議論の背景には、選挙の公正性をいかに守るかという課題があります。2025年夏の参議院選挙では、全国で24人が「詐偽投票」の疑いで摘発されました。他人に成り代わって投票するなどの不正行為は、民主主義の信頼を揺るがす深刻な問題です。
現在は、投票所で疑わしい点がある場合に限り、必要に応じて身分証明書の提示を求めています。しかし、最初から身分証の提示を義務付けるべきではないかという意見が、一部の政治グループから出されています。不正を未然に防ぐための「壁」をどこまで高くするかが、今まさに問われています。
マイナンバーカード普及と「投票の権利」のジレンマ
林大臣が指摘した最大の懸念は、カードを持っていない人への対応です。2026年1月末時点でのマイナンバーカード保有率は81.2%に達しています。しかし、裏を返せば約2割弱の国民はまだカードを持っていません。
もし、投票にマイナンバーカードなどの提示を必須とした場合、カードを持たない有権者が投票所から追い返される事態になりかねません。憲法で保障された「参政権」を、身分証の有無だけで制限して良いのかという、非常に重い法的・倫理的な問題が横たわっています。
現場の混乱と事務作業への影響
また、実務的な側面も見逃せません。投票所の現場で、すべての有権者に身分証の提示を求め、それを一つずつ確認する作業には膨大な時間がかかります。特に期日前投票は利用者が増えており、確認作業によって長い行列ができる可能性があります。
林大臣は、投票事務が円滑に進められるかという点も重要な論点として挙げました。現場の混乱は、結果として有権者が投票を諦めてしまう「投票離れ」を招く恐れもあります。利便性と厳格性のバランスをどう取るかが、実務上の大きな壁となっています。
民主主義の根幹を守るための今後の議論
林大臣は、この問題について「各党各会派で議論いただくべき」と述べ、政治全体での合意形成を求めました。これは政府だけで決めるのではなく、国民の代表である国会で慎重に話し合うべきだという姿勢の表れです。
不正を防ぎたいという願いと、誰一人取り残さずに投票の機会を保障したいという願い。この二つを両立させる仕組みづくりが求められています。デジタル化が進む中で、私たちの「一票」の重みをどう守っていくのか。これからの議論に大きな注目が集まっています。