2026-03-27 コメント投稿する ▼
大門実紀史が対米投資批判 内需重視と国内産業再建を参院予算委で主張
大門氏は、韓国の対米投資の仕組みと比較しながら、日本側の意思決定や監視体制のもろさを指摘し、「対米投資よりも国内産業の立て直しや内需活性化への投融資こそ重要だ」と強調しました。 大門氏は質疑で、日本と韓国の対米投資の仕組みの違いを強調しました。 大門氏は、対米投資よりも国内の中小企業支援や公共インフラ整備、産業基盤の強化に投資すべきだと主張しました。
対米投資より内需重視を 大門議員が予算委で政府批判
2026年3月25日、参議院予算委員会で日本共産党・参議院議員の大門実紀史氏は、日米間で合意された総額5,500億ドル(約87兆円)にも上る対米投資問題を巡り、政府の対応を厳しく批判しました。大門氏は、韓国の対米投資の仕組みと比較しながら、日本側の意思決定や監視体制のもろさを指摘し、「対米投資よりも国内産業の立て直しや内需活性化への投融資こそ重要だ」と強調しました。大門氏の質疑は、経済安全保障と日本経済再生の方向性をめぐる国会論戦の一環です。
「87兆円もの対米投資は、日本の内需と中小企業支援に向けるべきだ」
「対米投資の審査・意思決定は日本側で保障されているのか」
「韓国のような独自の検討・審査機関が日本にはない」
「国会への事前報告も義務づけられていないのは問題だ」
「日本経済再建の主眼は内需対策にあるべきだ」
日米関税合意に基づく5,500億ドルの対米投資は、2025年7月の日米貿易交渉の成果として、日本が米国へ対して投融資を行う枠組みとして提示されました。2026年2月にはその第1弾として約360億ドル規模の3事業が発表され、日米首脳会談でも原発・小型モジュール炉など3件で約730億ドルの第2弾合意がされたと報じられています。こうした巨額の投資枠組みは、米側の関税引き下げや市場アクセス拡大と引き換えの措置ですが、内容の詳細や実行方法については不透明な点も多いと国内外のメディアが報じています。
対米投資の仕組みと韓国との比較
大門氏は質疑で、日本と韓国の対米投資の仕組みの違いを強調しました。韓国政府は、米国と協議する前に自国で独自に検討・意思決定する「事業管理委員会」や「運営委員会」といった仕組みを設けています。このような独立した審査機関を通じて、政府が政策的判断を事前に行ってから協議を進めることで、自国の利益と投資リスクを統制していると説明しました。
これに対し、日本側には同様の独立した検討機関が存在せず、米国側主導の日米共同の協議委員会が中心となって進められる点を指摘しました。大門氏は「日本には独自で意思決定する仕組みがなく、いきなり日米協議委員会に乗せられる構造だ」と述べ、民主的な統制や透明性が欠けるとの懸念を示しました。
また、大門氏は韓国政府が協議内容を米国と協議する前に国会に事前報告する義務を設けているとし、日本でも国会への事前説明・報告が必要ではないかとただしました。これに対し、経済産業相・赤沢亮正氏は、国際協力銀行法や貿易保険法で求められる国会との関与以外の事前報告義務は「必ずしも必要ない」と述べ、否定的な立場を示しました。
国内重視の投資・支援こそ必要
大門氏は、対米投資よりも国内の中小企業支援や公共インフラ整備、産業基盤の強化に投資すべきだと主張しました。大企業中心の輸出依存構造から脱却し、国内市場を活性化させることこそ日本経済再建の鍵であるとの考えを強調しました。特に、中小企業向けのセーフティーネット融資制度の充実や地方の公共インフラ整備、国内産業への直接的な資金供給が重要との意見です。
こうした主張は、経済成長の裾野を国内市場と内需に置き、経済の循環を内向きにも強めるべきとの見方を示しています。日本はここ数年、少子高齢化や人口減少の進行、企業の海外シフトなどを背景に内需の停滞が続いており、国内消費の伸び悩みが経済全体の低迷につながっています。大門氏の主張は、こうした背景を踏まえた政策論として位置付けられています。
政府の立場と今後の焦点
政府側は、対米投資枠組みについて経済安全保障上の国際協力の一環として進めていく方針を示しています。5,500億ドルという投資規模は、日米間の関税見直しや市場アクセス改善を通じて、両国経済の相互補完関係を強める狙いがあります。具体的にはデジタルや半導体、エネルギー関連など多岐にわたる産業分野での協力が想定されています。
一方で、国内の産業界や経済専門家の一部からは、こうした巨額投資が日本国内の生産体制や中小企業支援、雇用創出につながるかどうかについて疑問の声もあります。内需市場の縮小や人口減少といった構造的課題を抱える日本経済にとって、海外投資に重点を置きすぎることのリスクが指摘されています。具体的には、国内設備投資や研究開発投資の後回し、財政資源の海外流出などが懸念材料として挙げられています。
大門氏の質疑は、対米投資と国内経済再生のバランスを問うものであり、今後の予算審議や政府政策に影響を与える可能性があります。政府・与野党は今後、内需重視、産業再建、国際協力の在り方などを巡り、活発な議論を続けていく見込みです。
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まとめ(重要ポイント)
- 大門実紀史氏が参院予算委で5,500億ドルの対米投資に疑問を提起。
- 韓国の独自審査・意思決定制度と日本の仕組みの違いを指摘。
- 国会への事前報告義務の欠如も問題視。
- 国内産業・内需への投融資こそ日本経済再建の重点と主張。
- 政府は国際協力の一環として対米投資を推進する姿勢。