2025-05-16 コメント投稿する ▼
AI推進法案、参院で審議開始 プライバシー・著作権保護強化を求める声相次ぐ
AI推進法案、参院で審議入り 井上議員が規制強化を強調
2025年5月16日、参議院本会議で「AI推進法案」が審議入りした。日本共産党の井上哲士議員は、AI(人工知能)の発展・普及に伴うリスクに対応するため、より厳格な法規制と国民の権利保護の強化を訴えた。井上議員は、「この法案は国民が求めるAIの規制や法的対策が十分に含まれておらず、推進一辺倒だ」と批判。特に、欧州連合(EU)がリスクを4段階に分類し、AI規制を進めていることを例に挙げ、日本も包括的な規制を整えるべきだと強調した。
一方、政府を代表して答弁した城内実内閣府特命担当相は「過剰な規制は避ける」とし、柔軟な対応を目指す姿勢を示すにとどまった。
プライバシーと著作権の保護を訴え
井上議員は、法案が国や研究機関、自治体が保有する情報をAI開発のために企業へ提供することを可能にし、プライバシー侵害のリスクを高めると警鐘を鳴らした。特に個人情報が違法に収集され、AI学習に利用される現状を指摘し、「個人情報保護法に自己決定権を明記し、違法な情報収集には罰則を設けるべきだ」と主張した。
また、AIが新聞記事やイラスト、音声など著作物を権利者の許諾なく利用している問題にも言及。日本新聞協会や日本俳優連合から法整備の要望が出ていることを紹介し、「知的財産を保護しなければ、コンテンツの創作意欲が失われ、文化の発展が阻まれる」と強調した。
AIの軍事利用にも懸念
井上議員はさらに、AI搭載の兵器が戦場で使用される可能性にも触れ、「AIは核戦争に匹敵する脅威になりうる」と警告した。こうした危険性を指摘しながら、AIの軍事利用を禁止する規定を盛り込むべきだと訴えたが、これに対し中谷元防衛相は「AIの有用性を最大限に活用し、軍事面でも活用を進める」と反論。政府側はAIの活用を推進する姿勢を明確にした。
ネット上の反応も賛否
AI推進法案に対するネットユーザーの反応は賛否が分かれている。
「AIは今後の産業を支える技術だから、過度な規制は逆効果だと思う。」
「プライバシーを守るための法律がないままAIを進めるのは危険。」
「日本も欧州みたいに厳格な規制を導入すべきでは?」
「軍事利用を完全に禁止するのは非現実的。むしろ安全に使う方法を考えるべき。」
「クリエイターの権利が軽視されている。著作権法を強化してほしい。」
今後の法案審議で、プライバシー保護や著作権問題、軍事利用の制限がどのように議論され、修正されるかが注目される。