府中市都議選で新人・岸慎一郎氏が挑戦　小池都政与党の独占崩すか

府中市都議選：変化を求める声が広がる中、新人候補が奮闘

東京都議会議員選挙が間近に迫るなか、府中市（定数2）では5人の立候補予定者が名乗りを上げ、激しい選挙戦が展開されようとしている。特に注目を集めているのが、日本共産党公認の新人・岸慎一郎氏（57）だ。長年住み慣れた東京の魅力が損なわれていくことへの危機感から、府中の政治に新たな風を吹き込もうと活動を続けている。

市民の暮らしを守るため、現場の声に即した政策を訴える

岸氏は今年2月の出馬表明以来、朝夕の駅前や市内各地での街頭演説を欠かさず行い、市民との対話を重ねている。物価の高騰、ミニバスの減便、市街地再開発など、生活に密接した課題について「現場の声を吸い上げた政策で変えていきたい」と意欲を示す。実際、地域支部と連携して「ちゅうバス」減便問題のアンケートを実施。6000枚を配布し、800件超の回答が寄せられた。

「駅に行くのが不便になるのは本当に困る」という声をもとに市議団と連携し、一部の減便計画が見直される成果も得た。さらに再開発や学校統廃合に関する独自のアンケートも行い、政策に反映している。

岸慎一郎氏の歩み：学びと実践の両輪で培った信頼

東京都出身の岸氏は、高校を中退した後、大検合格を経て東京大学大学院でウクライナ・ロシア中世史を研究。その後、学習塾講師として30年間子どもたちと向き合い、学びや悩みに寄り添ってきた。神宮外苑そばの高校に通っていたこともあり、大企業優先の都市開発や自然環境の軽視には強い危機感を持っているという。

周囲からは「人並み外れた行動力」「演説も熱量があり自由闊達」との声もあり、早朝6時からのビラ配りを自主的に始めるなど、選挙戦への本気度が際立つ。

都議選の構図：現職2人と無所属2人、そして岸氏の挑戦

府中市では、自民党現職と都民ファースト所属の現職が再選を狙うなか、新人2人が挑む構図となっている。自民党はポスター戦略を強化し、駅前活動にも早期から取り組んでいる。一方、無所属現職は連合や立憲民主系の支持層へのアプローチを加速している。

こうした中で岸氏は、党支部や市議団と連携しながら、全世帯へ政策ビラを配布するなど、草の根の選挙戦を展開。党関係者は「共産党への支持を広げ、参院選と一体で戦うことが重要」と話す。

ネット上の声：共感と期待の広がり

SNS上では、岸氏の真摯な活動ぶりに共感の声が寄せられている。

「岸さんの地道な活動に心を打たれた。ポスターより内容だよ」
「ちゅうバスの減便に声を上げてくれてありがたい」
「政策がすごく現実的で、押し付けがましくない」
「共産党は…と敬遠してたけど、岸さんは人柄で魅せるタイプ」
「演説を聞いたけど説得力があった。候補者の中で一番熱意が伝わる」

府中から都政の風向きを変える一票となるか

岸氏の活動は、単なる一候補の挑戦にとどまらず、「与党の独占を終わらせたい」「東京のまちを市民の手に取り戻したい」という声の象徴となりつつある。府中市の2議席が誰の手に渡るのか。小池都政のあり方も問われる今回の都議選は、都民の暮らしと政治への関心を大きく動かす節目になりそうだ。