2025-08-16 コメント投稿する ▼
日本とトルコが防衛産業対話開始へ 中谷防衛相初訪問で無人機導入を視野
日本とトルコ、防衛産業対話を開始へ
日本とトルコ両政府が、防衛産業分野での協力強化に向けた当局間対話を始める方向で最終調整に入ったことが分かりました。中谷元防衛相が19日にトルコのギュレル国防相と会談し、正式に合意する見通しです。日本の防衛相によるトルコ訪問は初めてとなり、歴史的な一歩といえます。
今回の合意は、日本が無人機を含む防衛装備品の導入を急ぐなかで、トルコ製無人機の導入可能性を視野に入れるものです。トルコはロシアの侵攻を受けるウクライナに攻撃型無人機「バイラクタルTB2」を供給し、その実戦運用実績が国際的な注目を集めています。
「日本がトルコ製無人機を導入する時代が来るとは」
「中国やロシア製ではなく民主主義陣営での協力は安心感がある」
「また海外への依存が増えるのではないか」
「国産開発を軽視してはならない」
「スパイ防止法を制定しなければ技術流出が懸念される」
中谷防衛相の歴訪と協議内容
中谷防衛相は17日からジブチ、トルコ、ヨルダンを歴訪中で、22日に帰国予定です。トルコ訪問では、防衛装備品や技術協力の在り方を中心に協議が行われ、地域情勢に関する意見交換も予定されています。また、自衛隊とトルコ軍との部隊間交流を推進することで、安全保障協力を多層的に進める方針です。
加えて、中谷防衛相はトルコの防衛大手「トルコ航空宇宙産業」、トルコ海軍の造船所、無人機メーカー「バイカル社」を視察する計画で、実際の製造現場を確認する意向を示しています。
日本の防衛政策と無人機配備
日本政府は陸海空の3自衛隊に無人機を大量配備する方針を決めています。中国や北朝鮮の動向に加え、ウクライナ戦争で無人機の戦術的重要性が改めて証明されたことが背景にあります。トルコ製無人機の調達は、即戦力となる装備を迅速に確保する一手となる可能性があります。
ただし、日本国内では「国産技術の育成が置き去りにされるのではないか」という懸念も存在します。無人機はセンサー、AI、通信技術など高度な技術の集積であり、長期的には日本の独自開発力を高める戦略と並行させることが重要です。
外交的意義と課題
今回の日本とトルコの防衛産業対話は、単なる装備品導入にとどまらず、両国関係の新たなステージを象徴するものです。トルコはNATO加盟国であり、欧州と中東をつなぐ地政学的要衝に位置しています。日本が中東や地中海地域の安全保障に関心を寄せる姿勢を示すことは、国際社会における存在感強化にもつながります。
一方で、海外装備品への依存や情報管理のリスクも増すため、日本側ではスパイ防止法の制定や技術管理体制の強化が急務です。海外援助や装備輸入を進める際には、国民に対してどのような国益があるのか、その成果を説明することが不可欠です。形式的な「ポピュリズム外交」として終わらせず、実利を確保することが求められます。