2025-09-01 コメント投稿する ▼
防衛省が大容量高速通信基盤を整備 陸海空自衛隊の即時連携で安全保障強化へ
防衛省、新たな大容量通信基盤の整備に着手
防衛省は、陸海空の自衛隊が戦況を即時に共有できるよう、大容量・高速通信を実現する「防衛情報通信基盤(仮称)」の整備に着手する。これにより、日本に接近する航空機やミサイルの情報を迅速に把握し、各自衛隊の運用データと結び付けることが可能となる。従来は陸海空で独自に構築されたシステムが横断的な情報共有を阻害してきたが、新基盤はこれを解消する狙いだ。
防衛省は7月に策定した「次世代情報通信戦略」で現行システムの課題を指摘し、爆発的に増加するデータ通信量に耐えられない現状を明らかにしていた。さらに、医療や補給といった後方支援情報の統合も進め、作戦運用から兵站までを包括的にカバーする。サイバー攻撃に備えて複数の通信網を整備し、機能停止を回避する多重防御の仕組みも取り入れる。
「こういう投資は遅すぎたくらいだ」
「量子暗号やAIまで盛り込むのは先進的だ」
「国防のインフラにクラウドを使うのは少し不安」
「サイバー攻撃対策が本当に万全なのか心配」
「即時共有ができれば抑止力も高まる」
防衛省クラウドの整備と先端技術の導入
新基盤の柱となるのが「防衛省クラウド」だ。2029年度をめどに整備される予定で、ネットワーク上でデータを管理するクラウド型システムを導入することで、3自衛隊の指揮統制を一元化する。これにより、現場の部隊から司令部までリアルタイムで情報が集約され、指揮決定の迅速化が期待される。
クラウド基盤には量子暗号通信や人工知能(AI)といった民間の先端技術も随時反映する方針であり、防衛分野と民間技術の融合が進む見通しだ。量子暗号によって従来よりも高度なセキュリティが担保され、AIによる情報処理や分析で戦況判断のスピードを飛躍的に高める可能性がある。
10億円を計上、調査・検証段階へ
防衛省は2026年度予算の概算要求で、通信基盤の技術調査や検証のための経費として10億円を計上した。現段階ではシステム全体の設計や技術選定を進めるフェーズにあり、複数年度にわたる大規模投資が見込まれる。米国をはじめとする同盟国では既に統合指揮通信システムの導入が進んでおり、日本でも遅れを取り戻す必要がある。
防衛省内では「他国との共同作戦においても通信の一元化は不可欠」との声が強い。実際、日米共同訓練ではリアルタイムでの情報共有が課題とされてきただけに、今回の整備は同盟運用の観点からも重要だ。
安全保障環境の変化と通信基盤の意義
中国や北朝鮮による軍事的圧力が続く中、日本の防衛体制は質的転換を迫られている。特に弾道ミサイルや無人機といった新たな脅威に迅速に対応するには、情報の即時共有と分析が不可欠であり、その基盤を支える通信インフラの強化が急務とされる。
今回の大容量高速通信基盤は、防衛省が掲げる「多領域作戦」の実現を支える要素であり、サイバー空間や宇宙分野を含む総合防衛力の一端を担うことになる。国民の間でも安全保障への関心が高まる中、防衛省が通信基盤にどこまで先端技術を取り込み、実効性を持たせられるかが問われている。
防衛省の大容量通信基盤整備と日本の安全保障強化
防衛省が進める新たな通信基盤は、陸海空の自衛隊を横断して結ぶ初の大規模プロジェクトとなる。クラウドや量子暗号など最先端の仕組みを導入することで、戦況把握から後方支援までを一体的に運用できる体制を構築する。技術検証に10億円が計上され、今後の進展が日本の防衛力強化に直結することは間違いない。