2025-08-29 コメント投稿する ▼
敵基地攻撃ミサイル 熊本から全国へ配備開始 住民不安と説明責任問われる石破政権
防衛省が敵基地攻撃ミサイル配備を発表
防衛省は29日、国産の長射程ミサイル「12式地対艦誘導弾(能力向上型)」を熊本市の陸上自衛隊健軍駐屯地に配備する方針を明らかにした。今年度中の配備を皮切りに、全国6道県に展開する。今回の発表は、2022年に閣議決定された「安保3文書」に基づく防衛力強化の一環であり、いわゆる「敵基地攻撃能力」の具体化となる。
政府は27年度には静岡県の富士駐屯地、さらに28年度以降は海上自衛隊横須賀基地の護衛艦「てるづき」や航空自衛隊百里基地所属のF2戦闘機に艦発型・空発型を配備するとしている。また、射程2000〜3000キロに達する「島嶼防衛用高速滑空弾」についても、北海道や宮崎県の駐屯地に部隊を新編し、配備を進める計画だ。
地元説明なき配備に不安と反発
問題となっているのは、配備対象となる地域に対して政府が十分な説明を行っていない点だ。健軍駐屯地は市街地に囲まれ、周辺には学校や病院、住宅地が立地している。住民からは「弾薬庫は最優先の攻撃目標になる」との不安が広がっている。
「熊本市民に何の説明もなく配備するのは無責任だ」
「有事の際に真っ先に狙われるのは地元住民ではないか」
「インフラや生活基盤の安全が脅かされる」
「国防は必要だが地元の声を無視していいのか」
「市街地の真ん中に長射程ミサイルを置くのは危険すぎる」
熊本ネットによる中止要請
労働組合や市民団体などで構成される「いのちとくらし・平和を守る熊本ネットワーク」は29日、国会内で政府に対し配備中止を求めた。要請には日本共産党の田村貴昭衆議院議員も同席し、軍民分離原則を定めたジュネーブ条約に反する可能性を指摘した。参加者は「住民への説明会を開き、地域社会に配慮すべきだ」と強調した。
今回の動きは、住民合意を欠いたまま進む防衛政策に対する反発を象徴している。石破政権は安全保障の強化を掲げているが、その実現過程における説明責任と住民理解の確保は不可欠だ。
敵基地攻撃能力配備と日本の安全保障の行方
安保3文書に基づく敵基地攻撃能力の整備は、日本の安全保障政策を大きく転換させるものだ。長射程ミサイルや高速滑空弾の配備は抑止力強化の観点から意義を持つ一方で、地域住民を「前線」に晒すことにもつながりかねない。特に弾薬庫や発射拠点は攻撃対象となるリスクが高く、民間人の安全確保が課題となる。
他国事例を見れば、米国や欧州諸国では住民説明や合意形成に時間をかけることが多い。日本においても「国防のためだから説明不要」という姿勢はもはや通用しない。安全保障と住民の安心をどう両立させるかが問われている。
石破茂首相は「国民の命と暮らしを守るため」と繰り返しているが、その言葉を現実の政策で裏付けるには、住民理解と透明性が不可欠である。今回の配備計画が「拙速で不透明」と受け止められれば、国民の信頼を損なう恐れが強い。
敵基地攻撃ミサイル配備は国防か住民リスクか
熊本を皮切りに全国で進められる敵基地攻撃ミサイルの配備は、日本の防衛体制強化の象徴であると同時に、住民生活への不安をも生んでいる。国防の強化と市民社会の安全をどう両立させるのか。今回の決定は、日本の安全保障政策のあり方と、政治の説明責任を鋭く問うものとなっている。