2025-05-29 コメント投稿する ▼
横田基地PFAS漏出に不信高まる 政府対応の不透明さに住民反発と抗議の声
横田基地PFAS漏出問題 住民の不安拡大、政府に厳しい対応を求める声
米軍横田基地(東京都福生市など)から有害な化学物質「PFAS(有機フッ素化合物)」を含む水が漏れ出した問題をめぐり、日本共産党の山添拓参院議員や都議会議員らが5月29日、防衛・環境・外務の3省庁に出向き、調査と対応の強化を求めた。住民と連携して実施された今回の要請では、情報の不透明さや政府の対応の遅れに対する批判が相次いだ。
現場調査に対する不満と課題
横田基地では昨年8月の豪雨をきっかけに、PFASを含んだ水が施設内から漏れ出たことが判明していた。今月14日に政府と関係自治体による立ち入り調査が行われたものの、調査の対象はすでに浄化された水に限られていた。浄化前の水の成分分析が行われなかったことから、住民や関係者の間では「調査として不十分だ」との声が上がっている。
さらに、自治体への通知が調査実施の前日に行われたことも判明。突然の知らせに驚いた自治体関係者や住民からは、「もっと丁寧な説明と準備期間が必要だった」との批判が寄せられた。
米軍の環境管理体制に疑念
米国防総省が4月末に公開した監査報告では、2023年1月にも横田基地でPFASを含む水の漏出があったとされる。しかも、同報告書によれば、この水は適切な管理が行われず、在日米軍のガイドラインにも反していたという。
加えて、極めて有害な化学物質であるポリ塩化ビフェニール(PCB)の処理についても、指針に準じない形で処分されていた疑いが浮上している。
この一連の事態について、日本政府が把握していたにもかかわらず、これまで国会では「確認中」などと曖昧な回答を繰り返してきたことが問題視されている。市民団体や野党からは、「政府は米軍との関係を理由に、情報公開をためらっているのではないか」との疑念が強まっている。
住民と議員の声が突きつけた問い
要請に参加した山添議員や都議らは、住民の健康を守る立場として、「なぜ浄化前の水の調査を行わないのか」「なぜ米側に抗議しないのか」と政府の姿勢を厳しく追及した。
防衛省の担当者は「住民の不安は理解している」としつつ、「引き続き米側に情報提供を求めている」と従来通りの対応を繰り返すにとどまった。
SNS上で広がる反響と批判
「米軍基地だからって、甘く見すぎじゃない?日本の主権はどうなってるの」
「結局、浄化前のデータがないと意味ないよね。住民の命がかかってるのに」
「国会で“確認中”を繰り返していたのが信じられない。もう隠せないでしょ」
「PFASの影響って長期的に出るんだよ。もっと真剣にやってほしい」
「都議団や山添さんが動いてくれてるのが唯一の救い」
政府の責任と今後の課題
PFAS問題は単なる環境問題にとどまらず、住民の健康被害や信頼性に関わる深刻な課題である。政府は米軍任せにせず、日本の主権と住民の安全を守る立場から、より踏み込んだ調査と情報開示を進めるべきだ。今回の件は、基地を抱える地域における構造的な不均衡と、情報非対称性を浮き彫りにした。
地元自治体や住民と連携し、透明性と迅速性をもった対応が求められている。政府が実効的な措置を講じるかどうか、国民の厳しい視線が注がれている。