2025-04-15 コメント投稿する ▼
日米共同演習は憲法違反か?山添拓議員が『威嚇行為』を国会で追及
中国を仮想敵に?「威嚇」に踏み込む訓練内容
2025年4月15日、参議院外交防衛委員会で、日本共産党の山添拓議員が日米の軍事演習をめぐって政府を追及した。問題となったのは、2024年2月に行われた日米共同指揮所演習「キーン・エッジ」。この演習で、自衛隊機が中国軍艦を想定し、ミサイルによる仮想攻撃を行ったと報じられている。
山添氏は、「こうした仮想敵を設定した軍事演習は、憲法9条が禁じる『武力による威嚇』に該当するのではないか」と強く批判。防衛相の中谷元氏は「そのような発表はしていない」と述べつつ、攻撃想定そのものについては否定しなかった。
「ワンシアター構想」が招く軍事ブロック化
さらに山添氏は、中谷防衛相が米国防長官との会談で打ち出した「ワンシアター(一つの戦域)」構想にも懸念を示した。構想では、日米を中心に豪州、韓国、フィリピンなどとの軍事的連携を進める方針が示されており、山添氏は「インド・太平洋地域での軍事ブロック化を進めるもので、緊張を高める」と警鐘を鳴らした。
仮想敵は中国・北朝鮮・ロシア?広がる軍事演習
2025年2月には日米豪が参加する共同演習「ヤマサクラ」が実施され、米太平洋陸軍の副司令官が「中国、北朝鮮、ロシア」を名指しで仮想敵とした発言を行っている。この点についても山添氏は「演習が事実上、先制攻撃の準備であり、日本が戦争に巻き込まれる危険性がある」と批判を展開した。
内閣法制局の栗原秀忠第二部長は、「演習の詳細は承知していないため答弁は困難」と述べたが、山添氏は「政府の姿勢そのものが憲法違反の可能性をはらむ」として、同様の軍事演習の中止を強く求めた。
問われる憲法の実効性と外交の選択
山添氏の追及は、単なる演習の是非にとどまらず、戦後日本が築いてきた「専守防衛」の原則と、憲法9条の実効性そのものに関わるものだ。台湾有事や朝鮮半島情勢などを背景に、米国との連携を強める政府に対し、「武力によらない外交努力」こそが必要だという訴えが、改めて国会で示された。