2025-11-07 コメント投稿する ▼
小泉進次郎防衛相の原子力潜水艦導入発言に山添拓氏「憲法違反の攻撃的兵器」
今回、山添氏の発言を契機に、原潜導入の意義・法的整合性・国民負担など、複数の観点から検証が必要となります。 山添氏は1988年の防衛庁長官答弁を引用し、「攻撃的兵器を保有することは『自衛のための最小限度の範囲』を超える」とされてきた政府見解が、原潜をめぐる議論で揺らいでいると問題視しています。
原潜導入論議に揺れる防衛政策
政策委員長の 山添 拓(日本共産党)は2025年11月7日、国会内で記者会見し、小泉 進次郎防衛大臣(自由民主党)による「原子力潜水艦(原潜)導入」への積極的な発言をめぐり、「看過できない」と強く批判しました。小泉氏が6日のテレビ番組で、原潜導入の必要性について「周りの国々はみんな持っている」と述べたことを受け、「周りが持っているから日本も持つというなら、核兵器まで持つつもりか」との問いを提示しました。
戦略的な潜水艦の保有をめぐる議論が本格化する中、政府・与党内の防衛装備や憲法解釈を巡る議論も激化しています。今回、山添氏の発言を契機に、原潜導入の意義・法的整合性・国民負担など、複数の観点から検証が必要となります。
議論の焦点:原子力潜水艦導入
小泉防衛相は番組で、周辺国が「原潜を保有し始めている」と指摘し、「我が国としても選択肢の一つとして検討せざるをえない」という趣旨を語ったと報じられています。これに対し、山添氏は原潜が「ミサイルを積んで隠密に広範囲で行動し、相手国の奥深くまで攻撃できる」「憲法上、保有を容認されてきたものではない攻撃的兵器になり得る」と断じました。
政府はこれまで、我が国の防衛を「専守防衛(防御を主とし、攻撃を主眼に据えない)」の枠組みで説明してきました。山添氏は1988年の防衛庁長官答弁を引用し、「攻撃的兵器を保有することは『自衛のための最小限度の範囲』を超える」とされてきた政府見解が、原潜をめぐる議論で揺らいでいると問題視しています。
実際、政府参考人は2023年6月1日の参議院外交防衛委員会で、憲法9条の「戦力不保持・武力行使制限」の精神を尊重する立場から説明しています。ただし、防衛装備の検討段階で明確に攻撃型兵器を否定する答弁がなされており、原潜のような高性能潜水艦の議論は今回が初めてとも受け止められています。
財政・安全保障環境の変化と党内論議
山添氏はさらに、首相の 高市 早苗 政権が今年度中の軍事費GDP比2%実施を打ち出し、無人機大量導入や「新しい戦い方」を強調している点について、「額ありきで進めるための後付けの口実だ」と批判しました。無人機は、例えばイスラエルのガザ攻撃などで使用されており、「AIの指示に従って戦争が行われるのは人道上の大きな問題がある」と語っています。
こうした主張は、国民の税負担や戦略整備の透明性を巡る疑問を呼び起こしています。政府は防衛力強化を進める一方で、国民の理解と説明責任を問われる状況にあります。
背景と今後の展望
日本を取り巻く安全保障環境は急速に変化しており、近年は潜水艦戦力や原子力潜水艦を巡る米韓などの動きも活発です。今回の発言を踏まえ、原潜導入論議は、
①憲法との整合性
②コストと財源
③運用・戦略上の議論
という三つの軸で焦点化することが予想されます。
まず、憲法上の議論では、過去の政府答弁にあった「攻撃型兵器保有は自衛のための最小限を超える」という文言が重視されます。山添氏はこの観点から「原子力基本法で平和利用を定めた国として、原潜導入は踏み出すべきではない」と主張しています。
次に財源と国民負担の上では、軍事費2%化や無人機導入、大規模装備取得が、国民生活や他の社会保障への影響を引き起こす可能性があります。山添氏の指摘どおり、「額ありき」の政策展開は国民の理解を欠く危険があります。
最後に戦略・運用の観点では、原潜がどのような役割を担い、どのように抑止力を果たすのか、日米同盟や地域連携の中で位置づけられるかが問われます。隠密行動や長射程攻撃力を備えうる潜水艦は、従来の「防御」偏重の枠組みから一歩進んだ「攻撃・抑止」型の装備体系と見なされかねません。
小泉防衛相による原潜導入への意欲的発言をめぐり、山添政策委員長が憲法違反の可能性を挙げて強く反発しました。原潜導入は日本の防衛政策を根本から問い直す課題であり、国会審議・国民議論が不可欠です。政府は説明責任を果たし、装備取得だけでなく「なぜ、何を、どう使うか」を明らかにせねばなりません。また、国民負担の観点からも、減税優先であると私は評価します。防衛政策の拡充と同時に財政の健全化・国民生活への影響を考慮するべきです。