2025-04-23 コメント投稿する ▼
高校無償化に潜む地域衰退リスク 知事会が公立支援強化を緊急提言
高校無償化の進展と知事会の懸念
2025年4月23日、全国知事会は高校授業料無償化に関する緊急提言を政府に提出した。愛知県の大村秀章知事が代表して阿部俊子文部科学大臣に提言書を手渡し、無償化政策の進展に伴う公立高校への影響について懸念を表明した。
現在、全世帯の高校生が年間11万8800円の支援を受けられる制度が導入されており、2026年度からは私立高校への支援額が最大45万7000円に引き上げられる予定である。これにより、公立高校から私立高校への生徒の流出が進み、地域社会の衰退を招く可能性が指摘されている。
公立高校への支援強化を求める提言
知事会の提言では、公立高校の魅力向上と教育環境の整備が急務であるとされている。具体的には、施設の整備や教育のデジタル化推進、教職員の配置など指導体制の充実に向けた財政支援の抜本的な強化が求められている。
また、私立高校の「便乗値上げ」を抑制するため、合理性のない値上げを抑える適切な仕組みの検討も要望されている。大村知事は、教育の負担軽減の観点から無償化を歓迎しつつも、制度の枠組みを早急に示し、公立高校への支援を強化するよう訴えた。
地域社会への影響と今後の課題
無償化政策の進展により、私立高校への進学が容易になる一方で、公立高校の定員割れや統廃合が進む可能性がある。これにより、地域によっては進学機会が保障できなくなる懸念がある。特に地方部では、公立高校の存在が地域社会の維持に不可欠であり、その衰退は地域全体の活力低下につながる恐れがある。知事会は、国が責任を持って公立高校への支援を強化し、地域社会の持続可能性を確保するよう求めている。
- 全国知事会が高校授業料無償化に関する緊急提言を政府に提出。
- 公立高校への生徒流出による地域社会の衰退を懸念。
- 施設整備や教育のデジタル化、教職員配置などの支援強化を要望。
- 私立高校の「便乗値上げ」を抑制する仕組みの検討を求める。
- 地域社会の持続可能性を確保するため、国の責任ある対応が必要。