2025-04-04 コメント投稿する ▼
日・スウェーデン、NATO加盟後初の本格連携 岩屋外相が意欲
この会談では、安全保障にとどまらず、デジタルや原子力といった多岐にわたる分野での協力が話し合われ、岩屋氏は日本とスウェーデンの関係を「さらに具体的かつ実質的に発展させたい」と意欲を示した。
ロシアの脅威を前に、安全保障で足並みそろえる
近年の国際情勢の変化、特にロシアによるウクライナ侵攻は、欧州の安全保障に大きな影響を与えている。スウェーデンもその対応を迫られ、昨年3月には中立政策を転換し、NATO(北大西洋条約機構)に正式加盟したばかりだ。
日本もまた、ロシアへの対応を含む国際的な課題に積極的に関与しており、今回の会談では、両国が安全保障分野での情報共有や防衛協力の強化を目指す方針を確認した。特に、インド太平洋地域と北欧という地理的に離れた両国が、民主主義国家として価値観を共有し合うことの重要性が強調された。
デジタル・原子力分野でも実利ある協力へ
会談では安全保障だけでなく、次世代技術やエネルギーといった分野についても議論が及んだ。デジタル分野では、AIや5G、サイバーセキュリティなどの先端技術における連携が今後の焦点となる。両国ともに高い技術力を持ち、産業基盤の強化や国際競争力の向上を図るうえで、協力のメリットは大きい。
原子力については、安全対策や廃炉技術といった課題に取り組む中で、技術交流や規制情報の共有などを進める方向で一致。特にエネルギー安全保障の観点からも、相互に学び合う姿勢が強調された。
ウクライナ支援でも足並み揃える
会談の中では、ウクライナ支援についても議題に上った。人道支援や復興支援、さらにはロシアに対する制裁の継続など、両国が一体となって国際社会での役割を果たす重要性が改めて確認された。
EUとの連携も視野に
岩屋氏は同日、ベルギーのアジャ・ラブリブ外相(※プレボ外相の誤記とみられる)とも会談し、EUとの連携や二国間の経済関係の強化について意見を交わした。環境や気候変動、自由貿易の促進など、多くの共通課題に取り組むため、より密接な協力を図っていく構えだ。
戦略的パートナーシップの意義とは
今回の一連の会談は、日本が欧州との関係をより戦略的に構築していく意思を明確にするものであり、とりわけスウェーデンのように価値観を共有する国との連携は、国際社会の安定と自由な秩序の維持にとって欠かせない。
両国の協力が今後、どのような形で実を結ぶのか、今後の動きに注目が集まっている。
- 岩屋毅外相がベルギーでスウェーデン外相と会談
- 昨年締結の「戦略的パートナーシップ」を具体化へ
- 安全保障協力の強化で一致、NATO加盟国スウェーデンとの連携深化
- デジタル、原子力など先端分野で協力を確認
- ウクライナ支援での歩調も再確認
- ベルギー外相とも会談し、EUとの関係強化を模索