2025-03-22 コメント投稿する ▼
約6年ぶりの日中経済対話、 水産物輸入再開に向けた進展確認
■ 水産物輸入再開に向けた前進
今回の経済対話では、特に日本産水産物の輸入問題が大きな焦点となりました。中国は、福島第一原発から放出された処理水を巡る懸念を理由に、2019年から日本産水産物の輸入を全面的に停止していました。しかし、両国は、国際的なモニタリング体制を設け、透明性を持って検証を行うことで合意し、これに続いて今回の対話が実現しました。
岩屋毅外務大臣は、中国の王毅外相との会談後、輸入再開に向けた具体的な協議の進展を確認したことを強調。再開に向けたステップが着実に進んでいることを示しました。しかし、輸入再開時期については今後の協議に委ねられた形となり、実際に再開されるにはまだ時間がかかる可能性があります。
■ 経済協力の強化と戦略的互恵関係
また、両国は経済分野での協力をさらに強化する方針を確認しました。岩屋外務大臣は「戦略的互恵関係」を推進し、両国の共通の利益を追求することに一致しました。これにより、日中間の経済的なつながりが一層強化されることが期待されます。
■ 安全保障と地域情勢に対する懸念
会談では、安全保障面でも重要な議題が取り上げられました。特に、尖閣諸島周辺での中国軍の活動が活発化していることに対する懸念が表明され、岩屋大臣は中国側に対し、透明性を持った情報提供を求めました。さらに、最近の日本人拘束事案についても懸念を伝え、法の支配に基づく適切な対応を強調しました。
また、北朝鮮がロシアと軍事協力を深めていることに対しても懸念を共有し、地域の安定と平和を維持するための協力を確認しました。
■ 人的交流の促進
両国は、経済や文化の交流をさらに進めるため、ビザ政策の緩和についても合意しました。これにより、観光客の滞在期間を延長することが可能となり、新たな長期滞在ビザも導入されることになりました。これによって、両国間の人的交流が一層活発化し、相互理解が深まることが期待されています。