2025-09-26 コメント投稿する ▼
岩屋毅外相がJICA「ホームタウン」撤回で謝罪 自治体への過大負担を認める
JICA「ホームタウン」は「移民が増えるのではないか」といった誤解が広がり、対象となった四自治体には抗議が相次ぎ、混乱が拡大しました。 岩屋氏は「自治体にとって想定以上の負担となったことは反省すべきだ」と述べました。 事業そのものは理念的には国際交流の強化を目的としていましたが、制度設計が不十分であったこと、国と自治体の責任分担が曖昧であったことが露呈しました。
岩屋毅外相、JICA事業撤回を陳謝
岩屋毅=現職外務大臣は2025年9月、ニューヨーク訪問中に会見を行い、JICA=国際協力機構が進めていた「ホームタウン」事業の撤回について「自治体に過大な負担をかけてしまい申し訳なかった」と述べ、陳謝しました。
この事業は国内の自治体をアフリカの「ホームタウン」として認定し、国際交流を促進する構想でした。しかし「移民が増えるのではないか」といった誤解が広がり、対象となった四自治体には抗議が相次ぎ、混乱が拡大しました。岩屋氏は「構想自体が国内で誤解を招いたことが原因」と総括しました。
「ホームタウン」事業の狙いと挫折
この事業は、自治体を国際交流の拠点と位置づけ、地域の活性化や国際協力への貢献を目指すものでした。国としては人的交流の強化や外交関係の深化が期待されていましたが、説明不足や住民理解の欠如が問題化しました。特に「移民受け入れと直結するのではないか」との懸念が一部で強まり、SNSや地元に抗議が集中。結果として自治体の職員が説明や対応に追われ、通常業務に支障が出る事態へ発展しました。
自治体の負担と国の責任
岩屋氏は「自治体にとって想定以上の負担となったことは反省すべきだ」と述べました。事業そのものは理念的には国際交流の強化を目的としていましたが、制度設計が不十分であったこと、国と自治体の責任分担が曖昧であったことが露呈しました。結果的に現場対応が自治体へ過剰にのしかかり、事業推進の基盤そのものを損ねた格好です。
今回の混乱に対し、市民からは次のような声が広がっています。
「国が説明不足のまま自治体に丸投げしたのは無責任だ」
「国際交流は大切だが住民の理解がなければ続かない」
「誤解を放置した外務省の対応は問題だ」
「自治体に負担をかけて謝罪で済ませるのか」
「次に同じ失敗をしない仕組みを作るべきだ」
今後の課題と展望
岩屋氏は「国際交流は引き続き極めて重要だ」と述べ、外務省として国際協力の意義を丁寧に説明していく考えを示しました。しかし今回の撤回劇は、理念と現実の齟齬を浮き彫りにしました。国際的な交流や支援の拠点づくりを推進するにあたり、国民の理解を得る手続きや、自治体との連携強化が欠かせません。
今後は、政策決定の初期段階で住民参加型の説明や情報公開を徹底することが課題となります。国際協力という崇高な目的を掲げながら、地元に混乱を残して撤回に追い込まれた今回の事例は、政府が国民合意の形成を軽視してはならないことを示す教訓となりました。