2025-11-05 コメント投稿する ▼
日産スタジアム命名権で新提案 山中竹春横浜市長が協議継続を表明
横浜市の山中竹春市長は2025年11月5日の定例会見で、経営再建中の日産自動車から横浜国際総合競技場(日産スタジアム)などの命名権について、10月31日付で新たな提案があったことを明らかにしました。 山中市長は定例会見で「日産側から10月31日付で新たな提案があり、協議を進めている」と発表しました。
日産から新たな提案、協議を継続中
山中市長は定例会見で「日産側から10月31日付で新たな提案があり、協議を進めている」と発表しました。しかし、提案の具体的内容については「相手があり、協議中であるため控えたい。お知らせできる状況になったら速やかに公表する」と明言を避けました。
現在の契約は横浜国際総合競技場、小机競技場(日産フィールド小机)、スポーツコミュニティプラザ(日産ウォーターパーク)の3施設について、2021年3月から2025年2月まで5年間総額6億円で結ばれています。当初、日産は2025年3月以降について1年契約・総額5千万円を提示しており、これは現行契約の半額以下となる大幅な減額でした。
市議会から「安すぎる」と強い反発
市は一度、日産の5千万円提案を受け入れる方針を示しましたが、2025年9月の市議会常任委員会で議員から「安すぎる」「もっと早く準備をするべきだった」との厳しい批判が相次ぎました。これを受けて山中市長は同月26日、「担当局の見通しが甘かった」として再検討を指示していました。
「日産スタジアムの名前が変わったら寂しいな」
「5千万円は確かに安すぎる気がする」
「市の財政も厳しいし、もっと高く売れるなら公募した方がいい」
「20年も親しんだ名前だから残してほしい」
「日産も経営が大変なのは分かるけど、もう少し出せないのかな」
市議会での議論では、現行契約との大幅な差額に対する疑問の声が多数上がりました。ネーミングライツの相場を見ると、大型スタジアムでは年間数億円規模が一般的で、国内トップクラスの施設である日産スタジアムの年間5千万円は市場価格を大きく下回る水準でした。
日産の深刻な経営状況が背景に
新たな提案の背景には、日産自動車の厳しい経営状況があります。同社は2024年5月に経営再建計画「Re:Nissan」を発表し、2026年度までに固定費と変動費で計5千億円のコスト削減を目指すとしています。2024年度の業績は営業利益698億円と前年を大幅に下回り、自動車事業では営業損失2159億円、フリーキャッシュフローがマイナス2428億円という深刻な状況に陥っています。
このため日産は2024年度から2027年度にかけて計2万人の人員削減、車両生産工場を17から10への削減という大規模なリストラを実施中です。ネーミングライツ費用の削減も、こうした全社的な経費削減策の一環と見られています。
20年続く「日産スタジアム」の価値
日産は2005年から横浜国際総合競技場の命名権を保有し、「日産スタジアム」の名称は市民に深く浸透しています。同施設では横浜F・マリノスのホームゲームやサッカー日本代表戦、コンサートなど多くのイベントが開催され、年間を通じて高い広告宣伝効果を発揮してきました。
ネーミングライツの専門家によると、このクラスの施設での命名権価値は本来年間1億円以上が妥当とされ、過去には年間2億円を超える契約例もあります。日産スタジアムは収容人数7万2327人の国内最大級サッカー専用スタジアムで、2002年ワールドカップ決勝の舞台にもなった歴史ある施設です。
今後の展開に注目集まる
山中市長は会見で「日産スタジアムの名前が残るよう努力したい」と述べており、市としても可能な限り現在の名称を維持したい考えを示しています。一方で「ネーミングライツは市民の財産」として、適正な価格での契約を求める姿勢も崩していません。
新たな提案の内容次第では、日産との契約継続か他社への公募かという重大な判断を迫られることになります。仮に公募となった場合、名称変更に伴う案内板の付け替えや地域への説明など、多くの課題が浮上することも予想されます。
日産の命名権継続の行方は、経営再建中の同社にとっても横浜市の財政運営にとっても重要な意味を持ち、今後の協議の進展が注目されています。市は年内にも最終的な方向性を決定する見通しで、20年間親しまれてきた「日産スタジアム」の名称存続が大きな分岐点を迎えています。