2025-12-12 コメント投稿する ▼
年収の壁178万円引き上げ交渉難航、自民小野寺税調会長が協議姿勢も財源7兆円の壁
自民党の小野寺五典税制調査会長は2025年1月12日、国民民主党が要求する178万円への引き上げについて協議する姿勢を示しました。 しかし国民民主党の玉木雄一郎代表は、1995年に設定された103万円から最低賃金の上昇率1.73倍を反映した178万円への完全引き上げを強く主張しています。 国民民主党は178万円への引き上げを政権協力の必須条件と位置付けています。
所得税が生じる「年収の壁」を巡り、自民・公明両党と国民民主党の間で激しい駆け引きが展開されています。自民党の小野寺五典税制調査会長が178万円の引き上げに「誠意を持って対応する」と表明しましたが、巨額の財源確保という高いハードルが立ちはだかっています。
自公、財源問題を理由に慎重姿勢
自民党の小野寺五典税制調査会長は2025年1月12日、国民民主党が要求する178万円への引き上げについて協議する姿勢を示しました。しかし与党側は、178万円への完全引き上げには国と地方合わせて約7兆8000億円の税収減が生じると試算しており、財政への影響を深刻に懸念しています。
現在、2025年から年収の壁は103万円から160万円に引き上げられる予定です。しかし国民民主党の玉木雄一郎代表は、1995年に設定された103万円から最低賃金の上昇率1.73倍を反映した178万円への完全引き上げを強く主張しています。
「これでは中間層に恩恵がない制度だ」
「財源確保も重要だが、働く意欲を削ぐ制度を改革すべき」
「178万円なら安心して働き時間を増やせるのに」
「段階的でもいいから早急に実現してほしい」
「企業側も人手不足解消につながると期待している」
国民民主、政権協力の条件に位置付け
国民民主党は178万円への引き上げを政権協力の必須条件と位置付けています。玉木代表は2024年12月27日の関西テレビ番組で、政府与党との交渉がまとまらない場合には内閣不信任案提出も「選択肢として十分ある」と強硬姿勢を示しました。
同党は、サラリーマンの源泉徴収による税収が前年比約5兆円増加している現状を挙げ、物価高による家計負担増に対する減税措置として178万円への引き上げは妥当だと主張しています。みずほリサーチ&テクノロジーの試算によると、物価上昇に伴う家計の負担増は年間約9万円に上るとされています。
過去の3党合意が交渉の起点
2024年12月11日、自民・公明・国民民主の3党幹事長は「178万円を目指して来年から引き上げる」との合意書を交わしました。この合意により国民民主党は補正予算に賛成しましたが、具体的な実施時期や方法については曖昧な表現にとどまっています。
公明党の西田実仁幹事長は合意後、「いきなり来年178万円になるという文脈ではなかった」と述べ、段階的実施を示唆しました。一方で与党側は当初、物価上昇率を根拠とした123万円への引き上げ案を提示していましたが、国民民主党は「まったく話にならない」と反発しています。
複雑な制度設計で妥協案模索
与党は最終的に、年収850万円以下を4段階に分類し、所得水準に応じて減税額を変える複雑な制度設計を提案しました。年収200万円以下では課税最低限を160万円まで引き上げる一方、高所得層への減税効果は限定的にする内容です。
しかし国民民主党は所得制限の撤廃を求め続けており、双方の溝は依然として深刻です。古川元久代表代行は「中途半端な妥協はしない」と表明し、満額回答を要求する姿勢を崩していません。
現在の物価高は明らかに数十年に渡る自民党の失策です。物価高対策として財政出動や減税は一刻の猶予も許されません。国民の手取りを増やし、働く意欲を高める税制改革こそが急務と言えるでしょう。