2025-03-19 コメント投稿する ▼
50年ぶりの米軍艦入港申請 神戸市の非核『神戸方式』は守られるのか
非核「神戸方式」とは
神戸方式は、1975年に神戸市議会が全会一致で決議した「核兵器積載艦艇の神戸港入港拒否に関する決議」に基づく方針だ。神戸港に入港する外国軍艦は、核兵器を搭載していないことを証明する「非核証明書」を提出する義務がある。これを提出できない場合、入港は認められない。
この方式が導入される前、神戸港には頻繁に米軍艦が寄港していたが、1975年以降は米国の「核兵器の搭載有無を明らかにしない政策」との衝突により、一切の入港が途絶えた。今回の入港申請は、その長い歴史の中で初めてのケースとなる。
米軍艦の入港申請とその背景
米海軍の掃海艇「ウォーリア」は、3月17日に神戸市に対して入港を申請した。目的は慰安および補給とされている。しかし、米国は核兵器を搭載しているかどうかを公式には明らかにしないため、神戸方式が適用されれば、非核証明書の提出が求められる。
神戸市側はすでに米側に対し非核証明書の提出を要請しており、3月21日に入港の可否を決定する予定だ。もし非核証明書が提出されない場合、従来通り入港は認められない可能性が高い。
市民団体の反応と神戸市の対応
この入港申請を受け、兵庫県原水爆禁止協議会(県原水協)や神戸港湾関係労働組合共闘会議は3月19日、神戸市長と市港湾局に対し、神戸方式の厳格な適用を求める申し入れを行った。県原水協は全国の原水協や県内の民主勢力に向けて「神戸市に対し非核方式を守るよう要請しよう」と呼びかけている。
一方、神戸市の対応が注目される中、市内にはさまざまな意見がある。市民の間では「50年も守ってきたルールを簡単に変えるべきではない」とする声がある一方、「時代も変わったのだから柔軟な対応も必要ではないか」との意見も聞かれる。
今後の展開と影響
今回の入港申請は、単なる一件の事例にとどまらず、今後の神戸港の非核政策や全国の港湾行政にも影響を与える可能性がある。もし今回、米軍艦の入港が認められれば、他の港にも波及し、日本の非核政策全体に影響を及ぼす可能性がある。