2025-10-28 コメント投稿する ▼
黒岩祐治・神奈川県知事がベトナム訪問へ 3都市で交流イベント、企業誘致と人材確保狙う
ホーチミン市、ダナン市、ハノイ市の3都市で「神奈川フェスティバル イン ベトナム2025」を開催し、ベトナム政府要人との面会や経済交流を進める予定です。 この訪問は神奈川県とベトナムの交流拡大を目的としたもので、企業誘致や留学生確保、観光プロモーションなど多岐にわたる内容となっています。
黒岩知事氏はホーチミン市で神奈川投資セミナーを開催し、ベトナム企業の県内誘致を図ります。ダナン市では高校生や大学生を対象に留学や就労に関する情報を発信するイベントを実施し、ハノイ市ではベトナム保健省とのヘルスケア政策会合にも出席する予定です。
ベトナムとの長年の交流関係
神奈川県とベトナムの交流は2013年に黒岩知事氏が駐日ベトナム大使やベトナム首相と会談したことをきっかけに本格化しました。2014年には計画投資省と経済交流に関する覚書を締結し、2015年からは横浜市で「ベトナムフェスタ イン 神奈川」を毎年開催してきました。これまでに延べ160万人以上が来場する秋の恒例イベントとして定着しています。
黒岩知事氏は2024年12月にベトナム政府から友好勲章を受章しました。これは外国人に授与される最高位の勲章で、日本の自治体の長として初めての快挙です。このことは神奈川県とベトナムの関係の深さを象徴しています。
神奈川県内のベトナム人住民は2023年1月時点で2万6000人を超え、2015年度と比べて約2.4倍に増加しました。外国人労働者の約20パーセントをベトナム人が占めるなど、日常生活やビジネスでベトナム人と接する機会が増えています。
今回のフェスティバルの内容
ハノイ市で開催される神奈川フェスティバルでは、音楽アーティストグループ「kolme」によるライブや風魔忍者ショー、よさこいパフォーマンス、日本語カラオケコンテストなどのステージイベントが予定されています。
ブース出展では神奈川県の観光地や旅行商品の紹介、箱根寄木細工や小田原漆器、鎌倉彫などの伝統的工芸品の展示が行われます。浴衣の着付け体験や縁日など、日本文化を体験できるコンテンツも用意されています。
「神奈川県は日本の中でも魅力的な観光地が多い」
「ベトナムと神奈川の経済交流がもっと盛んになってほしい」
「留学先として神奈川を選びたいと思っている」
「日本の伝統工芸品に興味がある、実際に見てみたい」
「神奈川で働く機会があれば挑戦したい」
こうした声は、ベトナムの人々が神奈川県に寄せる期待を表しています。フェスティバルはこうした期待に応え、両地域の相互理解を深める場となることが期待されます。
経済交流と人材確保の狙い
神奈川県は「神奈川インダストリアルパーク」事業を通じて、ベトナムの工業団地と連携し県内中小企業の現地進出を支援しています。同時にベトナム企業の県内誘致にも力を入れており、双方向の経済交流を進めています。
2024年5月には人材紹介会社と連携協定を結び、ハノイ工科大学の学生を県内企業でインターンシップ生として受け入れる取り組みも開始しました。理系人材の不足が課題となる中、優秀なベトナム人材の確保は県にとって重要な戦略となっています。
神奈川県は2024年度から「新かながわグランドデザイン」を開始し、DXの推進や医療・福祉の充実などを掲げています。黒岩知事氏は4期目を務めており、「県民目線のデジタル行政でやさしい社会を実現」することを目標としています。
海外プロモーションの課題と国益
自治体による海外プロモーションは観光客誘致や経済交流の促進に寄与する一方で、費用対効果や効果測定の難しさという課題も抱えています。全国の自治体を対象とした調査では、56パーセントが効果測定を行っているものの、詳細な分析ができていないケースが多いという結果が出ています。
海外でのイベント開催には渡航費や会場費、出演者への報酬など相当な費用がかかります。これらは県民の税金で賄われるため、明確な成果と国益の説明が不可欠です。単なるお祭り騒ぎで終わらせず、具体的な経済効果や雇用創出につなげる必要があります。
また、海外援助や国際交流事業については、国益との関係を丁寧に説明することが求められます。外国人労働者の受け入れは労働力不足の解消に役立つ一方で、社会保障費の増加や文化摩擦などの課題も生じます。受け入れにあたっては法整備を進め、外国人にも日本の法律や文化を尊重してもらうことが前提となります。
今後の展望と注意点
神奈川県のベトナムとの交流は10年以上の実績があり、一定の成果を上げてきました。今回のフェスティバルも両地域の理解を深める機会となるでしょう。
ただし、こうした国際交流事業を続けるにあたっては、透明性の確保と効果の検証が重要です。どれだけの企業誘致につながったのか、どれだけの観光客が増えたのか、留学生や労働者の受け入れがどう進んだのかを具体的な数値で示す必要があります。
外国人材の受け入れについても、単に数を増やすだけでなく、地域社会との共生や治安の維持、社会保障制度への影響などを総合的に考慮しなければなりません。安易な受け入れは将来的な社会問題を引き起こす可能性があります。
神奈川県の取り組みが真に県民の利益となるよう、継続的な検証と改善が求められます。海外プロモーションは単なる親善活動ではなく、具体的な経済効果を生み出す投資として位置づけられるべきです。今後の成果に注目していく必要があります。