2025-06-13 コメント投稿する ▼
熊本で外国人労働者の労災227件 最多はベトナム人、技能実習生の死傷者が増加傾向に
熊本で外国人労働者の労災227件 最多はベトナム人 6年間で死傷者増加傾向
厚生労働省熊本労働局が公表した統計によると、令和元年(2019年)から令和6年(2024年)までの6年間に熊本県内で発生した外国人労働者による労働災害は227件に上り、死傷者は年々増加傾向にあることが明らかとなった。国籍別ではベトナム人が最多で87人、次いでインドネシア人42人、フィリピン人24人と続き、外国人労働者の過酷な労働環境と安全教育の不足が浮き彫りとなっている。
ベトナム人が最多の労災被災者に 全体の約4割は「経験1年未満」
今回発表された統計は、休業4日以上の労災(新型コロナ感染を除く)を対象としている。被災者227人のうち、在留資格別では技能実習生が最多の123人を占めており、特定技能者や専門的・技術的分野の在留資格を持つ者も含まれていた。特筆すべきは、被災者の約4割が就労開始から1年未満で事故に遭っていたことである。
これは、外国人労働者に対して職場での安全衛生教育が十分に行き届いていないことを示唆している。熊本労働局は、「入職時における基礎的な安全指導が不十分なまま現場に投入されているケースが目立つ」と分析している。
国籍別では以下のとおり。
* ベトナム:87人
* インドネシア:42人
* フィリピン:24人
* 中国(香港等含む):23人
* ネパール・ミャンマー:各11人
* カンボジア:9人
* タイ:5人
* その他:15人
全体の外国人労働者による労災発生率は、県内全産業の1.9%を占めている。
外国人労働者「安価な労働力」の代償は現場の命
これらの数字は、深刻な人手不足を補う形で導入が進む外国人労働者制度の“負の側面”を映し出している。とりわけ技能実習制度に関しては、「人材育成」ではなく、実態としては「安価で都合のいい労働力供給制度」として機能しているという批判が根強い。
制度の建前と現実との乖離が、現場の安全教育や生活支援の不足を招き、労災という形でその代償を外国人労働者に押し付けている状況は、到底看過できるものではない。受け入れを拡大する前に、受け入れ後の“保護”体制をどう築くかが問われている。
SNS上でも、制度のあり方や受け入れ現場に対する厳しい意見が多く見られる。
「結局、外国人を安く使ってケガさせてるだけじゃないか」
「安全教育をまともにしてないのに“即戦力”って、命が軽すぎる」
「日本人がやらない危険な仕事ばかり押し付けてるんじゃないか?」
「技能実習制度って聞こえはいいけど、実質ブラック労働の温床」
「彼らに頼らなきゃ成り立たないなら、その分ちゃんと守らないと」
形式的な「啓発月間」では意味がない
6月は外国人雇用啓発月間とされており、熊本労働局では多言語による安全教育教材の活用や、企業への指導を強化していく方針を示している。しかし、こうしたキャンペーンが単なる“形式的な啓発”に終わるようでは、状況は改善されない。
企業に対しては、雇い入れ時の安全衛生教育の義務化や、一定の日本語能力・理解力がないまま労働に従事させる行為への罰則強化も視野に入れるべきだ。さらに、制度全体として技能実習から特定技能への移行も含め、労働者としての権利をより保障できる仕組みに改めていく必要がある。
単に「外国人が必要だから」という理由で受け入れを続けるのではなく、日本人・外国人問わず、“命の重み”を等しく守る責任を、政府と受け入れ企業は今こそ自覚すべきだ。