2026-03-07 コメント投稿する ▼
陸自が長射程ミサイル初配備へ 熊本・健軍駐屯地に3月8日深夜搬入
陸上自衛隊が2026年3月8日深夜にも、反撃能力を担う長射程ミサイルを熊本県の健軍駐屯地に搬入することが関係者への取材で分かりました。敵の領域内の基地などを攻撃する能力を持つミサイルの国内初配備となり、戦後日本の防衛政策が大きな転換点を迎えます。
射程1000キロ、中国沿岸部も射程内に
今回配備されるのは、射程約1000キロメートルの12式地対艦誘導弾能力向上型です。従来の12式地対艦誘導弾の射程が約200キロだったことを考えると、5倍以上の飛距離を実現しました。この射程により、熊本から発射した場合、中国沿岸部や北朝鮮のミサイル基地を攻撃できる能力を持つことになります。
関係者によると、3月7日に静岡県の富士駐屯地から搬出作業を開始し、船舶と陸路を使って熊本まで移動します。搬入後は機器のメンテナンス作業や隊員への教育訓練を実施し、3月末までに配備を完了させる計画です。
開発を担当したのは三菱重工業で、2025年12月に開発が完了しました。政府は当初2026年度以降の配備を予定していましたが、安全保障環境の悪化を受けて前倒ししました。地上発射型に続き、2027年度からは艦艇発射型や航空機発射型も順次配備される予定です。
2022年の安保3文書で方針転換
長射程ミサイル配備の根拠となったのが、2022年12月16日に政府が閣議決定した安全保障関連3文書です。国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画の3つからなるこの文書で、政府は反撃能力の保有を初めて明記しました。
これまで日本政府は専守防衛の立場から、敵基地攻撃能力の保有を政策的に見合わせてきました。しかし北朝鮮のミサイル発射の常態化や中国の軍事的圧力の高まりを受け、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境にあるとして方針を転換しました。
「中国のミサイル技術の進歩を考えたら、反撃能力は必要だと思う」
「でも熊本の市街地に配備するのは危険すぎる。攻撃されたらどうするんだ」
「国会でまともに議論もせず閣議決定だけで決めるのはおかしい」
「住民説明会も開かないなんて、地元を馬鹿にしてるとしか思えない」
「専守防衛を捨てて軍拡競争に走るのは憲法違反だ」
住民説明会なし、反対運動も
健軍駐屯地は熊本市東区の市街地に位置し、周辺には多くの住民が暮らしています。半径2キロ圏内には市民病院のほか、保育施設、小中高校、大学など教育施設が57カ所も存在します。
長射程ミサイルが配備されれば、有事の際に健軍駐屯地が攻撃対象となる可能性があります。実際、駐屯地内では西部方面総監部の司令部の地下化工事が進められており、反撃を想定した対策が取られています。しかし地下施設で守られるのは自衛隊幹部のみで、周辺住民は無防備なまま取り残される形です。
小泉進次郎防衛相は2026年3月6日の記者会見で、配備に伴う住民説明会について「現時点で予定はない」と述べました。九州防衛局に問い合わせ窓口を設け、ウェブサイトにQ&Aを掲載していることを理由に挙げましたが、住民からは不満の声が上がっています。
2026年2月23日には、配備に反対する市民ら約1200人が健軍駐屯地を人間の輪で取り囲む抗議行動を実施しました。労働組合や民主団体で構成する「いのちとくらし・平和を守る熊本ネットワーク」は、軍民分離の原則に反するとして配備中止を求めています。
全国6道県に配備拡大へ
防衛省は2025年8月29日、長射程ミサイルの全国配備計画を発表しました。熊本への先行配備に続き、2027年度には静岡県の富士駐屯地、大分県の湯布院駐屯地、将来的には沖縄県の勝連駐屯地への配備を検討しています。
また射程2000から3000キロに及ぶ島嶼防衛用高速滑空弾についても、2026年度に北海道上富良野駐屯地と宮崎県えびの駐屯地に配備する計画です。防衛省は2023年度から2027年度の5年間で、防衛費を43兆円に増額する方針を示しています。
今回の配備は日米同盟の在り方にも影響を与えます。これまで日本は「盾」、米国は「矛」という役割分担でしたが、日本が反撃能力を持つことで、米軍との一体運用が一層進むことになります。自衛隊は迎撃中心のミサイル防衛体制から、米軍と協力して反撃も可能な統合防空ミサイル防衛に移行していきます。
一方で憲法9条との関係では、多くの弁護士会が違憲性を指摘しています。相手国の領域に直接的な脅威を与える攻撃型兵器の保有は、戦力の保持を禁じた憲法9条2項に違反するという主張です。国会での十分な議論を経ずに閣議決定のみで進められたことについても、立憲主義に反するとの批判が出ています。
2026年3月の熊本配備は、日本の安全保障政策における歴史的な転換点となります。抑止力の向上か、それとも軍拡競争の引き金か。国民的な議論が求められています。