2025-06-30 コメント投稿する ▼
鈴木宗男氏が23年ぶりに自民復党 森喜朗元首相が「最後のお願い」 比例出馬に波紋
鈴木宗男氏「自民に再合流」
森喜朗元首相が「最後のお願い」 松山千春が熱唱、異例の支援ムード
復党劇の裏に自民の“北海道戦略”あり
自民党が今夏の参院選に向けて、異例ともいえる候補者戦略に打って出た。6月30日夜、東京で開かれた「鈴木宗男氏を叱咤激励する会」。そこには党幹部や支援者、そして同郷の大物歌手までもが顔を揃え、鈴木氏の政治復帰にエールを送った。
鈴木宗男氏は元参院議員で、長く北海道を地盤に活動してきた。かつて自民党内で影響力を持ちながらも、2002年に北方四島支援を巡る疑惑などをきっかけに離党。維新の会から出馬して当選した後も、何度も政界の表舞台から遠ざかった。しかし今年6月、議員辞職と同時に自民党へ23年ぶりに復党。今回の参院選では自民党の比例代表として出馬する。
この復党劇には、北海道での議席確保を狙う自民党の“現実的な打算”が色濃くにじむ。北海道選挙区(改選数3)に自民は2候補を擁立しており、地元に根強い影響力を持つ鈴木氏を比例で支援することで、「3人目の票の取りこぼし」を防ごうという思惑がある。
会に出席した森山裕幹事長も「北海道選挙区の自民2議席確保のためにもお力を借りなければならない」と語り、鈴木氏の“集票力”に大きな期待を寄せた。
「党の理念も一貫性もないのか?宗男を今さら担ぐとは」
「こんな再登場を許す自民党の感覚がズレてる」
「自民の候補多すぎ問題を比例で補完?有権者なめてる」
「宗男って今どんな立ち位置?なんかフワッとしすぎ」
「森喜朗が“最後のお願い”とか、説得力が逆に薄れるわ」
森喜朗氏が“最後のお願い” 盟友たちの異例の支援
この日、会場に姿を見せなかったものの、特に注目を集めたのは、体調を崩して療養中の森喜朗元首相からのメッセージだった。
「森喜朗、最後のお願いです」
かつて首相を務め、自民党内で鈴木氏と縁深い人物でもある森氏のこの言葉は、1000人近い来場者に読み上げられ、場内は静まりかえった。まるで長年の政界の舞台に別れを告げるような、重々しい響きがあった。
さらに、同郷の北海道出身で、盟友ともいえる歌手・松山千春氏が駆けつけ、代表曲「大空と大地の中で」を熱唱。選挙イベントでは極めて異例な演出だが、それだけ鈴木氏にかける期待が特別であることが伝わってきた。
鈴木氏自身も、「ネバーギブアップ。日本を立て直す。自民党を立て直す」と訴え、政治復帰への意欲をにじませた。
宗男氏と“疑惑の過去” 有権者はどう受け止めるか
ただ、この復活劇にすんなりと拍手を送る有権者ばかりではない。鈴木宗男氏といえば、2000年代初頭に政治献金や官房機密費、外務省との関係など、数々の疑惑で世間を騒がせた政治家のひとりでもある。
その後、有罪判決を受け実刑にも服した。そうした“過去”がいまだ鮮明に記憶されている世代にとって、今回の復党劇には複雑な思いを抱く人も少なくない。
しかも、復党したタイミングが「比例代表」という点も、疑問の声を呼んでいる。個人名での信任が問われにくい比例枠での出馬は、「批判を受けにくい出方」とも受け取られかねない。
今回の“復活”が、有権者の真の支持によるものか、あるいは党の都合による「政治的な計算」の産物か。その答えは、投票箱の中にある。
自民“復党ビジネス”の象徴? 政治の倫理はどこへ
鈴木宗男氏の復党と出馬は、今後の永田町の空気にも影響を与えかねない。政治資金規正法の改正や、企業・団体献金問題が揺れる中、「過去に問題のあった政治家の再登板」が“あり”なのかどうかという、倫理観があらためて問われるからだ。
自民党が宗男氏を“切り札”として活用する姿は、実利重視に徹する一方で、政党としての理念や人選の透明性が置き去りにされていないかという不安を残す。
また、選挙戦略の道具として過去の人物を呼び戻す“復党ビジネス”が繰り返されれば、有権者の政治不信はさらに高まるだろう。
「復党にふさわしい人物なのか」
「この政治家がもう一度、国政に必要なのか」
有権者が問うべきは、そこに尽きる。