2025-06-09 コメント投稿する ▼
NHK党・立花孝志氏が「支援候補落選なら政治家引退」と表明
立花孝志氏が“政治家引退”を宣言 尼崎市議選の行方が国政にも影響
政治団体「NHK党」(旧・NHKから国民を守る党)の党首・立花孝志氏が、15日に投開票される尼崎市議会議員選挙をめぐり、自身の政治家としての進退を賭けた発言を行った。立花氏は9日、自身のYouTubeチャンネルで「NHK党が推す候補者が落選した場合、政治家を引退する」と表明。加えて「今夏の参議院選挙にも出馬しない」と明言し、これまでになく踏み込んだ姿勢を見せている。
候補者の当落が、立花氏の政治生命のみならず、同党の存在意義そのものを問う局面となっており、地方選挙としては異例の全国的な注目を集めている。
「政治家引退」発言の背景と狙い
立花氏は今回の尼崎市議選で、同党推薦の候補が落選した場合、自らの政治家としての活動に幕を引くと明言した。発言の中で、「その覚悟で尼崎市の選挙に臨んでいる」と語り、有権者に対して候補者への支援を強く呼びかけた。さらに、候補者が当選しても「NHK党が国政政党に復帰できず、かつ自身が参院選で落選した場合も政界を去る」との条件を付けており、退路を断った形だ。
こうした“引退宣言”には、危機感だけでなく、注目を集めることで支持の拡大を図るという側面もある。YouTubeやSNSを通じての訴求力に長けた立花氏ならではの「話題作り」と見る向きもあるが、同時に党の存続を懸けた最後の戦いとの見方も根強い。
相次ぐトラブルと信頼失墜
一方で、立花氏とNHK党は選挙運動を巡って新たな問題を抱えている。12日、同党の党員がX(旧Twitter)上で、候補者の支持を呼び掛けるために有料広告を使用していたことが発覚。公職選挙法違反の可能性が指摘され、立花氏はYouTubeで謝罪した。
この件は兵庫県警に申告済みとされるが、仮に違法性が認定された場合、候補者の当選自体が無効となる可能性もある。立花氏はそれでも「選挙運動は続ける」との姿勢を崩しておらず、選挙活動は続行される見通しだ。
加えて、過去の問題行動が尾を引いている。立花氏は2023年の兵庫県知事選で、「自分が落選しても応援候補を当選させる」ことを目的に立候補する“2馬力選挙”を展開。この際、SNS上で県議や行政関係者を執拗に批判し、誹謗中傷へと発展。2024年6月には、兵庫県警により名誉毀損、脅迫、威力業務妨害の疑いで書類送検されている。
こうした経緯が、党への信頼を大きく損なっているのは否定できない。
注目集める尼崎市議選の構図
今回の尼崎市議選は定数42に対し、過去最多の56人が立候補しており、非常に競争が激しい。立花氏が強く支援を訴える候補は、NHK党としての存在感をアピールするための“象徴的勝利”を担っており、その落選は党の求心力に直結する。
一方、有権者の目線は厳しい。候補者の資質や政策よりも、立花氏個人の進退を賭けたパフォーマンスに注目が集まる構図は、地方政治の本来あるべき姿からかけ離れているとの批判もある。
SNS上でも、立花氏の発言や言動に対して賛否両論が巻き起こっている。
「落選したら辞めるって、逆に政治をなめてないか?」
「引退で注目集める戦略、もう通用しないと思う」
「選挙で問題起こして謝罪して、まだ続けるとか…感覚ズレてる」
「立花さん、昔は面白かったけど今はもう限界では?」
「政党名変えても、やってることは炎上商法と変わらない」
政治とは何かを問われる時
今回の一連の動きは、有権者にとって「政治とは何か」を改めて考えるきっかけでもある。選挙を話題作りの道具にする風潮が蔓延する中、政治家の本来の役割が問われている。政策やビジョンよりも、目立つ行動や過激な言動が注目される現状は、政治の本質を歪める危険がある。
NHK党が掲げる「NHKのスクランブル放送化」という主張自体は、一定の支持を得てきた。しかし、それが単なる政党維持のための手段と化した瞬間、国民の支持は離れていく。立花氏の「引退宣言」が、政治に対する真摯な覚悟か、ただのパフォーマンスか。答えは15日の尼崎市議選で明らかになるだろう。