2025-06-12 コメント: 3件 ▼
榛葉賀津也氏「日本が誘発した」との政府内発言に警鐘 中国の認知戦に飲まれるなと強く批判
「中国の認知戦に日本政府が飲まれている」榛葉氏が警鐘
国民民主党の榛葉賀津也幹事長は6月12日、参議院外交防衛委員会において、相次ぐ中国軍機による自衛隊機への異常接近や尖閣諸島周辺での領空侵犯について、政府の一部に「日本の行動が中国を刺激した」とする見解があることを取り上げ、「まことしやかにそう語る人が政府内部にいる。中国の認知戦に完全に陥っている」と厳しく批判した。
榛葉氏は「海から空へとフェーズが変わった。相当危機感を持った方がいい」と述べ、昨今の中国の軍事行動が明らかに段階を踏んで拡大していると指摘。中国軍の艦載ヘリによる尖閣上空での領空侵犯(5月3日)や、空母艦載機によるP3C哨戒機への45メートルの異常接近(6月7・8日)など、深刻化する事態に対して「一層の警戒が必要」と訴えた。
「日本の行動が中国を誘発」は誤ったメッセージ
榛葉氏が問題視したのは、こうした中国の行動に対して「先に日本が動いたから誘発した」との声が政府や与党内部から出ているという点だ。氏は「これはまさに中国が仕掛けている認知戦、すなわち“日本が挑発した”という印象を国際社会に植え付ける情報戦に飲み込まれている」とし、強い懸念を示した。
実際、中国は5月3日のヘリによる領空侵犯について、「日本の右翼分子が釣魚島の領空を侵犯した」と反論しており、6月の接近飛行に関しても「日本が先に偵察してきた」と責任を転嫁する声明を出している。榛葉氏は「日本が加害者かのような印象を与えることは、断じて許されない」と政府の認識の甘さを指摘した。
「公務員の尖閣常駐は今こそ必要」 与党の後退姿勢を批判
榛葉氏はさらに、尖閣諸島への公務員常駐の必要性についても言及した。自民党が政権復帰前後の2012年衆院選や2013年参院選で掲げていた「尖閣常駐」方針が、以後の公約から消えていることに対し、「今こそやるべきではないか」と問いただした。
これに対し、岩屋毅外相は「安定的な維持管理のためにはさまざまな選択肢がある」としながらも、公務員常駐の是非には明言を避けた。榛葉氏は、「戦略的観点は当然だが、選択肢の一つとすら明言しない姿勢が問題だ」と苦言を呈した。
「戦争をさせないための抑止力」を明言
榛葉氏は、尖閣有事や台湾有事を回避するためには「米国との緊密な連携が不可欠」とした上で、「日本が主体的に抑止力の構築に関与する姿勢が問われている」と力を込めた。
「絶対に戦争をさせない。そのためには、自衛隊と米軍の連携を深め、我が国自身が毅然とした姿勢で安全保障に関わっていく必要がある」と述べ、単なる抗議や遺憾表明にとどまらない実効的な行動を求めた。
榛葉氏の姿勢は、与党が尖閣をめぐる基本政策を曖昧にし、対中配慮に終始している現状に対する強烈なカウンターとして注目される。認知戦という現代戦の核心を突く視点からも、国会での安全保障論議を深化させる存在となっている。
ネット上の反応
榛葉さんの指摘、まさにその通り。政府がふにゃふにゃすぎる。
「日本が誘発した」って中国の言い分を丸呑みしてどうするのか。
尖閣に公務員を置かない理由、もう誰も説明できない。
与党の及び腰対応では、中国はますますエスカレートする。
榛葉さん、野党だけど安保に本気なのが伝わる。もっと発言してほしい。